バッファの意味とは?
バッファは、緩衝という意味の「buffer」という英語が語源で、バッファーといわれるときもあります。
緩衝というのは、2つのものが衝突したときの衝撃を和らげることです。
例えば、割れ物やガラス製品を箱に詰めるときに、発泡スチロールなどで覆ったり、隙間に新聞紙などを詰めたりするときに使う緩衝材、鉄道車両や自動車などの前後に取り付けているバンパー(緩衝装置)、アルカリや酸をプラスしても水素イオン濃度がわずかにしか変わらない緩衝溶液などがあります。
いろいろなシーンにおけるバッファの意味とは?
ここでは、いろいろなシーンにおけるバッファの意味についてご紹介します。
ビジネスシーン
ビジネスシーンでバッファというと、余裕を持たせる、ゆとりがあるというような意味で使われるときが多くあります。
ビジネスシーンでは、特に、ゆとり、余裕という意味で使われるときが多くあり、ゆとりがある日程を設けたり、余裕を予算や納期に持たせたりするときに使います。
また、人員を多くするようなシーンでは人的な余力という意味で使われ、データや消耗品などを多めに用意するシーンでは予備という意味で使われます。
もののバッファがあるかと聞かれたときは、予備や在庫があるかを聞かれており、例えば、田中さんのバッファをお願いしますといわれたときは、田中さんのサポートを頼まれたようになります。
ビジネスシーンでのバッファを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「明日は雨のようなので、1時間早くバッファとしてスタートしましょう。」
- 「予算はバッファを含めたものにして下さい。」
- 「この予算で問題ないと考えますが、念のためバッファがあると安心です。」
- 「プレゼンするための資料はバッファがありますか?」
- 「もしものときでも応対できるように、バッファとしてもう1人一緒に行きましょう。」
対人関係・国際関係
バッファという言葉は、交渉のシーンや職場での対人関係でも使います。
例えば、ライバルである他社に協力して欲しいときに、両方の会社と関係がいい第三者の会社に仲介してもらうようなときモあるでしょうが、この仲介してもらう会社がバッファになります。
また、職場での対人関係では、誰でも意見が合わないために対立する、相性がどうしても合わない、ちょっとしたことでギクシャクするというような体験が多少なりともあるでしょうが、このようなときに仲介して関係を修復してくれる人がバッファになります。
さらに、国同士の関係においてもバッファは緩衝という意味で使われます。
緩衝国というのは国同士の間でクッションのような役割をするものですが、お互いに接する強い国の間にあり、衝突や摩擦を和らげる小さい国などと辞書では書かれています。
例えば、緩衝国としては、フランスとドイツの間にあるスイスやルクセンブルク、以前のフランスとイギリスの植民地の間のタイなどがあります。
対人関係・国際関係でのバッファを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「会社と商談をする前に、別の会社にバッファとしてオファーする。」
- 「最近、彼がいいバッファになって職場のイメージが変わりました。」
- 「バッファとして、オーストリアは中立外交に徹した。」
- 「イギリスとロシアが暗黙に了解して、両国のバッファであるとアフガニスタンは見なされた。」
IT業界
IT業界においては、データをコンピューターでやり取りするときの一時的な保存領域、記憶場所をバッファといいます。
例えば、プリンターでコンピューターのデータをプリントするときなどに、データを違った種類の回路や機器の間でやり取りするときに、処理スピードの違いをカバーするためにデータを一時的に保存しておく記憶領域、記憶装置のことをいいます。
IT業界でのバッファを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「バッファがハードディスクの中で足りなくなっています。」
- 「バッファ領域の上限をデータ量がオーバーしてしまいます。」
バッファの使い方とは?
ここでは、バッファの使い方として、最もよく使われるゆとり、余裕という意味でのものをご紹介します。
在庫、予算、納期、人員について使う
バッファの使い方としては、在庫、予算、納期、人員がよくあります。
在庫、予算、納期、人員についてバッファを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「発注するときはバッファを見ることが大切である。」
- 「日程にはバッファを十分にとっている。」
- 「見積もりはバッファを持っているため、原価が少しオーバーしても問題ない。」
- 「3名では心配であるため、バッファを持って4名にしよう。」
とる、持つ、見る、あると一緒に使う
バッファの意味がゆとり、余裕というときは、バッファは動詞のとる、持つ、見る、あるという言葉と一緒に使われます。
また、バッファが仲介人という意味のときは、一緒になるという動詞と使われることもあります。
とる、持つ、見る、あるという意味のバッファを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「バッファを予算にとり過ぎるのも考えものである。」
- 「バッファを見ていたため、納品が早めにできた。」
- 「日程にバッファを持たせていると、もうちょっと仕事が楽にできた。」
- 「配る資料は十分にバッファがあるため問題ありません。」
「バッファ」の類義語とは?
ここでは、バッファの類義語についてご紹介します。
一次記憶装置、余裕
バッファの類義語としては、コンピューターでは一次記憶装置があり、一般的なものでは予備や余裕などがあります。
バッファが持っている余力やゆとりの意味を拡大して考えると、余地や余剰なども類義語としてあるでしょう。
調停役、クッション
バッファの意味としては緩衝するものがありますが、状況や文脈によっては人の間に立って仲介する調停役や摩擦や衝突を防止するクッションなども類義語として挙げられます。
バッファの関連用語とは?
ここでは、バッファの関連用語についてご紹介します。
バッファストレージ
バッファストレージは、一種のIT用語で、ストレージの意味は倉庫や貯蔵というようなことがあります。
バッファストレージは、仮想のコンピューターの記憶領域などをいう言葉で、実際にはバッファの使い方と同じです。
そのため、バッファストレージはバッファであると考えて問題ありません。
プリンタバッファ
プリンタバッファは、一時的にプリンターに送られてくるデータを保管しておくバッファのことです。
プリンターを設定するときなどに使う言葉であるため、だいたいの意味を把握しておきましょう。