あなたは「チート」というカタカナ語を知っていますか? ある一定の層には深いなじみのある言葉でも、別の層にはまったく知られていない専門用語のように、チートという言葉も一般的にはあまり知られていない言葉です。今回は、そんな「チート」の本来の意味から、慣用的に使われる意味まで、徹底解明してみました。
「チート」の本来の意味とは?
まずは、チートという言葉の持つ本来の意味を見ていきます。加えて、今最も使われているカタカナ語「チート」の意味についても解説しますので、あわせて確認してみてください。
本来の意味は英語の「cheat」
「チート」の語源は英語「cheat」です。「cheat」とは、「騙す」「不正を働く」「いかさまをする」という意味があります。
同じような意味合いの英語として「deceive」「trick」もありますが、「cheat」のほうがより「自己の利益のために詐欺・インチキをする」という利己的な意味を持っています。
「cheater」という表現もあります。これは、「ズルい人・詐欺師」という意味です。英語圏では、人を騙すという人に「cheater」が適応されるので、軽い冗談から本格的な詐欺師まで、すべてが「cheater」になります。
日本でのカタカナ語としての意味は「強いプレイヤー」
カタカナ語での「チート」は、本来は不正ツールでのプログラム改造を行うこととされてきました。つまり、エンジニア用語だったのです。
それが転じて、「不正ツールでのプログラム改造を行わないとここまで強くなれないだろう」という意味合いから、ゲームの世界における「強すぎるプレイヤー」を表現するようになっていきました。
基本的にはあまりいい表現とは言えず、皮肉をこめて言われたり、批判的な意味で使われることがほとんどです。そして、レベルの高すぎるゲームのことを「チート級」と呼ぶようになっていきました。
「チート」はほかの外来語よりも日本色が強い
このように、英語圏では広い意味で使われる「cheat」でしたが、日本国内では主に「ゲーム」の世界で一般的な表現となっているのです。
日本で使われている「チート」という言葉は、もはや英語的意味を逸脱しているのがわかるでしょう。「チート」は日本で生まれた個性の強いカタカナ語であるといえます。
「チート」はまだまだ使い方が豊富!
チートという言葉は、それ単体で使われることももちろん多いのですが、「チート」を使った熟語表現も多いのです。ここからは「チート」を使った熟語表現を、意味と使い方をあわせて紹介していきます。
熟語その①「チート・コード」
チートを使った熟語でもっとも有名なのが、チート・コード(cheat code)です。チートコードとは、簡単に言えば「ゲームを騙す」ということです。
開発者が意図的につけたチート機能(弱者救済・隠しコマンドによるゲームの盛り上げ)もありますが、基本的には開発者が意図しない数値の書き換えを特殊ソフトを使って行うことをチートコードといいます。
チートコードを使ってゲームをプレイすると、確かに強い状態やアイテムを多く所持した状態でのプレイが可能ですが、バグが起こる可能性も高くなってしまいます。また、ソーシャルゲームなどでチートコードが判明した際は、利用停止になる可能性もあります。
熟語その②「チート・モード」
チート・モード(cheat mode)は、チートを「いい意味」で使っている熟語です。初心者でも遊びやすいように、最初からプレイヤーにとって有利な設定が用意されたプレイモードの事を指しています。
同じような意味合いで、チートアイテムというものもあります。そのアイテムを所持していると、一定時間チートモード=無敵状態となるというものです。
まとめ
「騙す」「ズルをする」という「cheat」が、日本ではカタカナ語の「チート」として似て非なるイメージで使われています。ゲームの世界ではよく知られた言葉ですが、エンジニア用語であることも忘れてはいけません。
チートモードでゲームをプレイするのは、初心者でもそのゲームを楽しみ、上手になるための第一歩です。ゲームを楽しくプレイするためにも、チートコードには十分用心してくださいね。