「となります」の意味とは?
「となります」は、何かを変えたときや何かが変わったときの結果を表現するという意味です。
目上の方にも使える表現で、丁寧語の「ます」が「~となる」についたものです。
「となります」の「と」は、あるところから他のところに変わることを表現するものです。
例えば、「今日のイベントは雨であるため中止となります」のときは、もともとは行われるはずであったイベントが中止になったことを表現します。
「になります」と「となります」の違いとは?
ここでは、「になります」と「となります」の違いについてご紹介します。
意味は基本的に同じである
「になります」と「となります」は、両方とも動詞の「なる」というものに助動詞がついたものであるので、全く意味が違うということではありません。
両方とも、「移行する、変わる」というような意味合いで使われます。
「となります」の方が書き言葉に向いている
「になります」と「となります」は基本的に同じ意味であると先にご紹介しましたが、使うシーンによって使い分けるときもあります。
例えば、「〜であるので、~となります」というように使うとちょっと堅い表現になるでしょう。
「になります」は柔らかいイメージがあるので、話し言葉として使われるときが多くあります。
一方、「となります」は、かしこまったシーンに向いており、フォーマルなイメージがあります。
「になります」は当然、「となります」は意外性の意味合いがある
使うシーン以外にも、「になります」と「となります」はちょっと意味合いが違います。
「になります」は、「おたまじゃくしは大きくなればカエルになります」というように、当然そうなるというような意味合いで使われます。
一方、「となります」は、意外性がそうなることにあるというような意味合いで使われます。
例えば、「臨時で翌日は休業となります」というように、意外なことが起きたようなシーンに使うときに向いています。
「となります」は責任が無いように聞こえるときがあるため注意する
「となります」は、「支払いは現金だけとなります」というように、自分の考えではないがお断りしますというような意味合いにも感じられるため、責任が無いように聞こえるときがあるため注意しましょう。
「となります」の使い方とは?
ここでは、「となります」の使い方についてご紹介します。
「となります」は状況によって変化が無くても使える
「となります」は変化があるときに使われますが、状況によっては変化がないときでも使えます。
例えば、「楽しみとなります」「励みとなります」という表現があります。
変化を表現する言葉とは違いますが、相手の行いや言葉が最終的に自分の「楽しみ」や「励み」になることを表現しています。
「となっております」はさらに「となります」の丁寧な敬語である
さらに、「となります」を丁寧な敬語にしたものが、「となっております」です。
「となっております」を使うと堅苦しいイメージがあるため、状況によって使いわけましょう。
「となりますが」は確認したいときに使う
「となりますが」は変わることに対して、確認を相手にとりたいときに使われます。
例えば、「天候が良くないためスケジュールが変わりますが、問題ないでしょうか?」というように、変わったことを確認するときに使われます。
「となります」の間違った使い方とは?
「となります」を使うときは、次のような間違った使い方をしないように注意しましょう。
変わらないシーンで「となります」を使うのは間違っている
よくある「となります」の間違った使い方としては、変化がないシーンで使うことがあります。
例えば、「右側のホテルが今日の宿となります」という例文では変化が全くないので使い方が間違っており、正しい使い方は「右側のホテルが今日の宿でございます」になります。
また、責任を避ける意味合いが、「となります」の間違った使い方には含まれています。
例えば、「禁煙となります」というのは間違った使い方で、正しい使い方は「禁煙でございます」です。
「となります」を使うことによって、相手に「やむを得ない」「意図していない」というイメージを与えます。
ビジネスシーンで使うと、責任が無く歯切れが良くないと見られるので注意しましょう。
文法的に「となりますでしょうか」は間違った使い方である
「となりますでしょうか」は「となります」を使った一つの表現ですが、間違った使い方であるため注意しましょう。
「となりますでしょうか」は丁寧な敬語表現と思うかもしれませんが、「ます」と「です」という丁寧語が重なった二重敬語になります。
例えば、「着くのはいつ頃となりますでしょうか」の正しい表現は、「着くのはいつ頃でしょうか」などになります。
目上の方を尊敬する敬語表現ですが、敬語を過剰に使うのは相手に対して失礼になるので注意しましょう。
「となります」の類義語とは?
ここでは、「となります」の類義語についてご紹介します。
「となります」を使った文章のときなどはぜひ参考にしてください。
「変ずる」「転ずる」
「となります」を使ったときは、「普通のサラリーマンであった私は、ベンチャー会社の代表者となりました。」としましょう。
「変ずる」を使ったときは、「私は普通のサラリーマンからベンチャー会社の代表者へと変じました。」になります。
「変ずる」「転ずる」は、変わるという意味を動詞そのものが持ち、何かが変わった結果を表現する「となります」に言い換えられるときがあります。
「となります」のみを使わないで、変化を文章に持たせたいときに使えば文章が読みやすくなります。
「至る」「達する」
「となります」を使ったときは、「努力を私は重ねて、有名な選手となりました。」としましょう。
「至る」「達する」を使ったときは、「努力を私は重ねて、有名な選手といわれる域に至り(達し)ました。」になります。
「至る」「達する」の意味は「達成する」ということで使われ、「ある役目を結果として果たす」という意味の「となります」と言い換えられるときがあります。
「至る」「達する」を使い意味合いになります。
そのときの状況や心境に応じて使い分けるといいでしょう。
「成長する」
「となります」を使ったときは、「おかげさまで、上場会社となりました。」としましょう。
「成長する」を使ったときは、「おかげさまで、上場会社へと成長いたしました。」になります。
変化が大きいかどうかによって使い分ければ、より意味合いが伝わるようになります。