「コンピテンス」の意味とは?
「コンピテンス」の意味は、適格性や能力、強みです。
ビジネスの領域における意味は、業務を行う上で要求に対応できる力量や能力ということです。
いわゆる知識的な能力や技能のみでなく、積極性やコミュニケーションスキルなど、幅広い領域が含まれることが特徴です。
「コンピテンス」は、「competence」の英単語がカタカナ語にそのままなった言葉です。
「コンピタンス」とビジネスシーンでは表記されるときもありますが、「コンピテンス」と心理学用語では定義されています。
「コンピテンス」の能力としては、次のようなものが含まれます。
- 実践的な技能
- 専門の知識
- リテラシー
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- リーダーシップ
- 積極性
「スキル」「アビリティ」と「コンピテンス」の違いとは?
ここでは、「スキル」「アビリティ」と「コンピテンス」の違いについてご紹介します。
「スキル」
「スキル」の意味は、特に能力の中でも訓練などによって自分で身に付けた、技術的な高い能力のことです。
同列に「スキル」と「コンピテンス」は扱われるときもありますが、技術そのものが「スキル」です。
一方、「コンピテンス」の意味は、「スキル」を目的や要求のために使える力ということが含まれているという違いがあります。
しかし、このような定義にはいろいろな説があるため、同等に「スキル」と「コンピテンス」が扱われていることもあるために注意しましょう。
「アビリティ」
「アビリティ」は、できるという意味の「ability」の英語の名詞形で、主として個人の手腕や技量を表現します。
「アビリティ」は、個人で見つけた能力やもとともと持ちあわせた潜在能力についていうことが多く、キャラクターが持っている能力値という意味でもゲームでは使われています。
「コンピテンス」の類義語とは?
ここでは、「コンピテンス」の類義語についてご紹介します。
「アビリティ」
「アビリティ」の意味は、技能、能力ということであり、自分の力量のことをいいます。
「コンピテンス」はものごとの熟練度、レベルの高さを表現し、「アビリティ」は上手くものごとができる能力を表現します。
「アビリティ」は、日本では次のような言葉で使うときもあります。
- 「アカウンタアビリティ」(説明責任)
- 「エンプロイアビリティ」(雇用され得る能力)
- 「ディスアビリティ」(能力障害)
- 「トレーサビリティ」(追跡能力)
「ケイパビリティ」
「ケイパビリティ」の意味は、自分が持っている強みです。
「能力」と日本語では訳されるときもあるため、「コンピテンス」の類義語です。
違いをビジネスシーンでは表現することが多く、意味は他社に負けない能力です。
「コンピテンシー」と「コンピテンス」の違いとは?
ここでは、「コンピテンシー」と「コンピテンス」の違いについてご紹介します。
わかりやすく「コンピテンシー」をいうと「行動特性」
「コンピテンシー」は、高い成果に繋がる「行動特性」で、ハーバード大学のマクレランド教授によって提唱されたものです。
「コンピテンシー」は能力に動機づけられた行動特性で、「コンピテンス」は要求される能力自体です。
「コンピテンス」の一領域が「コンピテンシー」
「コンピテンシー」も「コンピテンス」も、言葉や意味が似ていること、後から「コンピテンシー」の概念が生まれたことなどから、使い分けができていないことも多くあります。
正しくいうと、多くある「コンピテンス」の一領域が「コンピテンシー」になります。
「コンピテンシー」が成果を生み出すためには必要
「コンピテンス」を持っている人材でも、要求される成果には「コンピテンシー」が備わっていないと繋がりません。
一方、「コンピテンシー」を持っている人材でも、能力が足りないと同じようになります。
そのため、人材管理では、「コンピテンス」で個人が身に付けるべき能力を定義した上で、「コンピテンシー」を遂行能力の指標として使うことが必要です。
近年は、「コンピテンシー」の重要性のみが着目される傾向がありますが、「コンピテンス」に裏付けられたものが「コンピテンシー」であることも把握しておきましょう。
教育指針として医療や福祉の分野でも使われる
「コンピテンシー」や「コンピテンス」は、高等教育の大学のような場でも利用されています。
例えば、医療や福祉の分野においては、専門的な能力と高い倫理観が必要です。
そのため、教育の場では、具体的な到達目標として「コンピテンシー」、修得すべき能力を「コンピテンス」として決めています。
「コアコンピタンス」とは?
「コアコンピタンス」は、「Core competence」の英単語のカタカナ語で、意味は他社にも模倣ができない自社ならではの中核能力、企業の中核能力です。
「コア」の意味が核や中心で、「コンピタンス」の意味が強みや能力であるため、「コアコンピタンス」の意味は先にご紹介したようなものになります。
「Core competence」は、アメリカの経営学者のC. K. ・プラハラードとゲイリー・ハメルによって「コア・コンピタンス経営」が1990年に提唱されて拡大したものです。
「コアコンピタンスを明確に」の意味は、経営戦略を検討するときには、「他社が模倣できない自社ならではの強みや中核能力を明確に」すべきというようなことです。
経営戦略を検討するときは、「コアコンピタンスを明確に」する必要があるということで、しばしばビジネスにおいて使われます。
「コアコンピタンス経営」の概念は、「他社が模倣できない自社ならではの強みや中核能力を明確に」し、これをブラッシュアップして、中核にしてビジネスを展開することが大切であるということです。
メーカーのときは、商品において大きな他社との差別化ができる技術、つまり「コアコンピタンス」は「コアテクノロジー」であることも多くあります。
しかし、「コアコンピタンス」と「コアテクノロジー」は同じではないため、勘違いしたいようにしましょう。
基本的に、「コアコンピタンス」は、自社を特徴づける「能力」で、「他社が模倣できない自社ならではの強み中核能力」です。