エビデンスという言葉をビジネスシーンで聞いたことはありませんか? 普段何気なく使っている言葉も、正しい意味や使い方を知ることは大切です。意味の食い違いで大きなミスを引き起こす前に、業種別のエビデンスの意味について知っておきましょう!
エビデンスの使い方
エビデンスはそもそも英語の「evidence」からきており、「(立証するための)証拠(物件)、物証、証言、証拠」(研究社 新英和中辞典)が原意となっています。
日本のビジネス用語として使用する際も大まかにはそうなのですが、細かい業界単位で見てみると、実はそれぞれに少しずつ違った意味が付与されているのです。ビジネスメールで出てきやすい言葉でもあるので、今回は、その業界別の「エビデンス」を見ていきましょう。
交渉などで使われたときにぱっと理解できなかったり、 異業種転職をした後に話が食い違うなんてトラブルを防げるかもしれませんよ!
ITビジネスの場合
IT業界で「エビデンス」というと、証拠よりも「ベンダーなどとの打ち合わせの議事録」を指しているケースが大半です。もしくは、契約書面をとること指して「エビデンスを取る」と言っているケースもあります。
ちなみに、「契約書を取る」という意味に関してのみ、IT企業以外でも使われることがあります。主に製薬会社や外資などの、英語を仕事中に多用する業種です。
【例文】
「打ち合わせのエビデンスを今日中に作成しなさい」
打ち合わせが終了したのち、顧客や取引先との議論の内容を議事録として打ち出しておきなさい、ということです。ちなみに、エビデンスとして成り立たせるためには、自社だけで完結させてはいけません。必ず相手方の承認をもらうようにしましょう。
【例文2】
「あそこの会社とのエビデンスを作っておいてくれますか?」
この時は、議事録ではなく契約書を指しています。大体が契約製薬後に言われることなので、相手方の社名や注文内容にミスがないように何度もカクニンし、正確なエビデンスを作成してください。
コールセンターなどの電話業務の場合
録音を取って音声を残すことで、顧客からの注文内容・クレーム内容を残しておくことを「エビデンスを取る」といいます。音声の場合もありますし、文章化されている場合もあります。
この時は、英語の意味と同じ「証拠」ととても近いものを感じますね。
【例文】
「昨日のお客様のエビデンスを提出してください。」
何かしらのクレームや問い合わせがあったとき、過去に合ったやり取りを参考にする、と言う意味でエビデンスが使われています。
このエビデンスがないと、「こちらは聞きました」「言っていません」と問題が拡大してしまうのです。
銀行などの役所業務の場合
役所業務をするにあたり、身元を証明するための顧客情報や身分証明書のことを「エビデンス」と呼びます。自分が何者かを証明する「証拠」なのですね。
そして、それは銀行や役所側にとっても、「この人がだれかを保証してくれる証拠」になるのです。
【例文】
「さっきの口座を作ったお客様のエビデンスは見ましたか?再度確認してください」
何かしらの食い違いを照合するために、身分証などの証拠の提出をさせたい場合に使っています。上司からこのような通達があったら、すみやかにもう一度顧客にエビデンスの提出を求めましょう。
エビデンスとはビジネスに大切な「証拠」である
エビデンスは、ビジネスシーンでとても重要なコンテンツです。顧客や取引先とは口約束ではいけません。言った言わないの水掛け論争にならないために、しっかりとした証拠は残しておく必要があるのです。
エビデンスがしっかりとられていない場合は、何かあったときに「自分」だけではなく「自社」に大きな迷惑が掛かってしまいます。エビデンスの意味をしっかり理解し、必ず取るようにしましょう。