「不可避」の意味とは?
「不可避」は、「回避できないこと」「避けられないもの」という意味です。
どちらかというと、「不回避」は文章や文字で使われるときが多くあります。
「不回避」は「不可」と「避」から成り立っています。
「不可」の意味は「〜できない」ということで、「避」の意味は「避ける、回避」ということです。
「不可避」の使い方とは?
ここでは、「不可避」の使い方についてご紹介します。
「不可避的」
「不可避的」という表現でも、「不可避」は使います。
このときの「的」は、名詞にプラスして形容動詞の語幹を作る役目があります。
例えば、「不可避的トラブル」といえば「回避できないトラブル・起こるべくして起きたトラブル」ということで、「不可避的責任」といえば「回避できない責任」ということになるでしょう。
また、「不可避的」という言葉は、不要物質を腎臓が排出するのに水分として最低限必要な排出量を表現する「不可避的尿量」でも使われます。
ネットスラングでも「不可避」はよく使われる
「不可避」は頻繁にネットスラングとしても使われており、このときも「避けることができないこと・回避できないこと」という意味になります。
ネット上でのこのような使い方が定着したため、くだけた個人間のやり取りで使われるケースも最近は多くなっているようです。
「不可避」を使った例文
ここでは、「不可避」を使った例文についてご紹介します。
- 「二人の関係が悪くなるのは不可避である。」
- 「今度の人事は、実際の業務に対する影響が不可避と思われる。」
- 「出生率が改善しなければ、日本の人口が少なくなるのは不可避であることは仕方がないだろう。」
- 「彼は、妻との関係を修復することが不可避であると判断したため、離婚するために動き始めた。」
「不可避」の類義語とは?
「不可避」の類義語としては、「回避できないこと」を意味する言葉が挙げられます。
例えば、代表的な言葉としては、「仕方がない」「やむを得ず」「やむを得ない」「そうするしかない」などがあります。
これ以外にも、「詮方ない」「余儀なくされる」「免れ得ない」などがあります。
また、「回避することができない」つまり「必ずそうなる」と解釈すれば、「必然的」「必至」なども「不可避」の類義語になります。
「やむを得ない」「詮方ない」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「雨が降ったためイベントの中止はやむを得ないだろう。」
- 「今さら後悔しても詮方ないことである。」
- 「今期の業績ではボーナスが下がるのは必至であろう。」
「不可避」の対義語とは?
「不可避」の対応としては「忌避」があります。
「忌避」の意味は、嫌って回避することです。
特殊な意味としては、不公平な裁判を回避するために訴訟の当事者がその裁判官を断ることもあります。
また、物事を避けてぶつからないようにする、事態が不都合なことにならないようにするという意味の「回避」も、「不可避」の対義語になります。
「忌避」「回避」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「弟は、ここ数年、帰省することを忌避するようになった。」
- 「彼のとっさの判断でトラブルを回避することができた。」
- 「彼が責任を回避することは絶対に許されない。」
「不可避」の英語表現とは?
「unavoidable」が「不可避」の英語表現になります。
「unavoidable」の意味は、やむを得ない、回避できないなどがあります。
また、「不可避」と意味が同じような英単語としては、「inevitable」もあります。
「inevitable」の意味は、避けられないです。
「unavoidable」「inevitable」を使った例文としては次のようなものがあります。
- 「an unavoidable accident」(不可避の事故)
- 「A confrontation between them is inevitable.」(彼らの対決は不可避である。)
「草不可避」とは?
最近は、ネットなどで「草不可避」という言葉を耳にすることも多くあるのではないでしょうか。
「草不可避」の意味としては、「絶対に笑う」「笑いを我慢できない」などというようなことがあります。
「草」の意味は「笑い」ということであり、「草不可避」の意味は「笑いを回避することができない」ということになります。
また、「自分がもしそのような状況であれば笑わざるを得ない」というような意味合いで使われるときもたまにあります。
「草不可避」は、普段の会話ではほとんど使われることはなく、文字としてSNSやネット上の掲示板などで使われています。
「草不可避」の使い方
「草不可避」の使い方としては、次のようなものがあります。
- 「この画像、草不可避」
- 「このウエブサイト、草不可避だけど」
このように、「草不可避」は、対象が何かあって、対象に対する「笑わざるを得ない」という自分の評価を表現する言葉です。
しかし、文の末尾に「w」をつける使い方はしません。
文章の中に、単語の一つとして入れることによって機能します。
また、「草不可避」とのみ書いても会話が成り立つときもあります。
「草不可避」とだけ書いて、相手が会話でいったことについて「笑わざるを得ない」という意味になるときがあります。
このときは、どのようなことについて草不可避か、暗黙のうちにお互いが理解していると、文章でわざわざ「どのようなことについて草不可避か」を書く必要はなく、会話が「草不可避」のみで成り立ちます。
「草不可避」の「草」とは?
では、「草不可避」の「草」の意味はどうして「笑い」になるのでしょうか?
ここでは、「笑い」のネット上での表記の変遷についてご紹介します。
ネットだけでなく「笑い」を文章で表現する方法としては、一般的に「(笑)」と表記します。
なお、この「(笑)」は、裁判や議会の速記で戦前から使われていたそうです。
そのうちに、雑誌の対談やインタビューなどで話している人が笑っていることを表現するために、一般的に「(笑)」が使われるようになりました。
ネット上のやり取りにもこの「(笑)」は引き継ぎされていきますが、「(笑)」」から「笑」、「ワラ」に変遷し、頭文字を取って「w」と、だんだん省かれてきました。
「w」は一般的に「ワラ」と読みますが、さらに面白いことを表現するときは「w」を重ねて「wwww」とします。
地面から生える草にこの「w」や「wwww」が似ているため、「草生える」という言葉を「w」をつけたくなるような面白いことについて使うようになりました。
ここから、「草」の意味が「笑い」になりました。