「ご子息(ごしそく)」の意味とは?
「ご子息(ごしそく)」というのは、他の人の子供のことを丁寧にいう言葉のひとつです。
他の家の子供で、自分の子供や身内の子供ではありません。
また、「子息」に尊敬語の「ご」をプラスしているため、目上の方の子供のときに使います。
「息子さん」と他の家の子供をいうことがありますが、「息子さん」よりも丁寧な言い方が「ご子息」です。
なお、男の子供だけに「ご子息」は使いますが、女の子供のときは「ご息女」を使います。
目上の方の女の子供に使う尊敬語であるため、「ご息女」の方が他の家の女の子供に使う「娘さん」よりも丁寧な言い方になります。
「ご息女」は日常会話や親しい間柄のときは堅苦しくなることがあるため、日常会話では「娘さん」を使って、改まったシーンで「ご息女」を使うのがいいでしょう。
「ご子息」の使い方とは?
正しく敬称を使うためには、さまざまなことを考慮する必要があります。
まず、「ご子息」の敬称は敬語の一つであることを把握しておきましょう。
そのため、敬称を重ねて使うのは二重敬語になるため、重複して「ご子息」と「様」を使うのは止めましょう。
ここでは、「ご子息」の使い方についてご紹介します。
「ご子息」は、他の人の子供に使う敬語であることをきちんと把握しておきましょう。
そのため、自分の子供に「ご子息」を使うのは誤りであるため、常識の無い人であると思われます。
自分の子供のときは、「息子」「子供」「せがれ」「娘」などを使うようにしましょう。
「様」をプラスして「ご子息様」とするか悩むかもしれませんが、これは二重敬語になるために注意しましょう。
なお、手紙の礼状などのときは「ご子息様」を使っても問題ありませんが、例外的であると把握しておきましょう。
話言葉としての敬語が「ご子息」で、手紙にだけ使える敬語が「ご子息様」であるため違和感があるかもしれませんが、日常的に現代の日本では使われているために問題ないとされています。
「ご子息」が使える年齢は決まりがないため、非常に小さい子供に使っても問題なく、20歳過ぎの人に使っても問題ありません。
40歳や50歳の人でも「ご子息」が使える対象者であれば、「息子」の敬称であるために使っても問題ありません。
続柄としての子供であれば、いつまでも「ご子息」は使えます。
「ご子息」を使うときのポイントとは?
ここでは、「ご子息」を使うときのポイントについてご紹介します。
「ご子息」の敬称は正しいものである
「ご子息」の敬称は、単独で正しいものです。
尊敬の意味を含む言葉かどうかによって、敬称が必要かどうかは判断することができます。
「さん」など人を表現する敬語にはプラスしたくなるでしょうが、「ご子息」は単独で尊敬を表現する言葉になるために敬称をプラスする必要はありません。
しかし、「様」を「ご子息様」のようにプラスすることについては、別の扱いになります。
「ご子息」を使うシーン
「ご子息」を使うのは、目上の方に送る手紙や目上の方との会話などに、「子供」を表現する必要があるときです。
日常会話のときは、「ご子息」の代わりに「お坊ちゃん」や「息子さん」などを使っても問題ないこともあります。
しかし、相手に敬意を払う必要があるときは、「ご子息」というより丁寧な表現を使うのがいいでしょう。
自分の子供に「ご子息」は使わない
敬語である「ご子息」は、立場が相手より下である自分の子供を表現する言葉として使うのは相応しくありません。
そのため、自分の子供には「せがれ」や「息子」というような言葉を使いましょう。
自分より目上の方の子供に「ご子息」は使う
敬語である「ご子息」は、自分より目上の方の子供に使うのが適しています。
上下関係の無い友人や同期というような人と会話するときは、「ご子息」の表現が丁寧過ぎるため、「お子さん」や「息子さん」でも問題ありません。
しかし、相手がこのような間柄の人でも、いろいろなお祝いなどの冠婚葬祭の文中では「ご子息」を形式的に使うのがいいでしょう。
「ご子息」に「様」をプラスするのは問題ないか
言葉の成り立ちから見ると、「ご子息」に「様」をプラスするのは問題です。
というのは、「ご子息」は尊敬を表現する「ご」が頭にプラスされているために敬語であり、「様」をプラスすると二重敬称になるためです。
特に、「ご子息様」を会話の中で使うのは、「ご子息」の意味を正しく把握していないと考えられることもあるために注意しましょう。
「ご子息様」が使えることがある
基本的に、「ご子息様」は二重敬称になるために使えませんが、使えることもあります。
「ご子息様」が使えるのは、文章に使うときです。
文章のときの敬称は、会話のときよりも丁寧な表現が要求されることが多くあります。
そのため、「ご子息様」は敬意を最大限に払っていると考えられるために使っても問題ありません。
しかし、どのような文章でも「様」をプラスするといいということではありません。
相手によって、「様」をプラスするかどうかを使い分ける方がいいでしょう。
「ご子息」は何歳まで使えるか
「ご子息」が何歳まで使えるかについては、はっきりした基準はありません。
そのため、何歳でも敬意を表現する必要がある相手の子供であれば、「ご子息」を使うのがいいでしょう。
例えば、子供が独立しており、すでに結婚しているような年齢の人でも、自分より年齢が高い人でも、高齢の70歳というような年齢の人でも、立場が自分より上の方の子供には「ご子息」を使うのがおすすめです。
「ご子息」の対義語とは?
「愚息」が「ご子息」の対義語になります。
「愚息」というのは、自分の子供をいうときに自分がへりくだって相手を立てる謙譲語として使う言葉のひとつです。
「愚」の意味は「つまらないもの」や「おろかな」ということがあり、自分の子供を相手に対して謙遜する表現として使います。
敬意を相手に表現して使う尊敬語が「ご子息」ですが、自分がへりくだることで相手を立てる謙譲語が「愚息」です。
「愚息」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「愚息がいろいろご面倒をおかけして申し訳ありません。」
- 「うちの愚息をどうかよろしくお願いいたします。」