ガバナンスの意味とは?
ガバナンスはカタカナ語として日本で使われていますが、由来は「governance」という英語になります。
「governance」の意味は、管理、支配、統治です。
日本語のガバナンスの意味も、管理、統治になります。
ガバナンスが多く使われる言葉としては、企業ガバナンスがあります。
企業ガバナンスの意味は組織の統治、管理であり、意味はほとんど内部統制と同じようなものです。
内部統制というのは、健全に企業や行政の組織を運営するためのものです。
内部統制は、例えば、社内の業務の手続きの規則を決めて、これに従って業務が実施されているかを管理することです。
コーポレートガバナンスとは?
コーポレートガバナンスの意味は企業統治で、企業経営の監視と統制の役目を持たせた機能があるビジネス用語です。
例えば、取締役や監査役、情報開示の在り方などが、コーポレートガバナンスになります。
コーポレートガバナンスのはっきりした考え方はまだ決まっていませんが、不正などが企業活動にないかをチェックするもので、一般的に上場企業に対して株主が実施するようになっています。
コーポレートガバナンスが着目される背景としては、日本国内において1990年代から相次いで企業による不祥事が発生したことがあります。
横領や粉飾決算、労働基準法に違反するような雇用トラブルなどが発生したことによって、ユーザーや社員、株主だけでなく、深刻な悪影響が世の中全体に及ぶようになりました。
そのため、経営を厳しく監視し、企業の健全性をアップするために、コーポレートガバナンスが導入されました。
企業活動の透明性、公平性がコーポレートガバナンスによって確保されることで、企業価値のアップや企業の持続的な成長に役に立つとされています。
そのため、コーポレートガバナンスの重要性が、現在ではさらに強くなっています。
ガバナンスの使い方とは?
ここでは、ガバナンスの使い方についてご紹介します。
ガバナンス強化のために社外取締役を多くした
ガバナンス強化の意味は、内部統制や監視機能を強めるということになります。
この使い方のときは、取締役会の監視機能を社外取締役を多くすることによって強くする意図があります。
日本の寿命が長い企業では、伝統的にガバナンスが効いている
ガバナンスが効くという意味は、効果的に内部統制が機能しているということになります。
この使い方のときは、創業してから歴史が長い企業では、自然に経営者や社員に謙虚さやプライドが身に付いており、事件などが発生しにくいことを表現しています。
ガバナンスを使った例文
ここでは、ガバナンスを使った例文についてご紹介します。
- 「必ずガバナンスコードを示して、追求されないように運営してください。」
- 「働き方改革によって、ガバナンスの再考に早急に取り掛かった。」
- 「ITガバナンスを考慮するときは、積極的な高いIT戦略の導入と情報漏洩などについてのリスクヘッジが大切である。」
- 「最近のニュースでは、ガバナンスがいろいろな企業において効いていないことがはっきりしている。」
ITでのガバナンスの使い方とは?
ここでは、ITでのガバナンスの使い方についてご紹介します。
経済産業省では、ITでのガバナンスの定義として、ITについての企画、導入、利用、運営を企業が行うときには、適正に全ての成果、活動、関係者を統制し、あるべき姿にするためのシステムを組織に取り入れること、あるいは取り入れた状態としています。
つまり、情報システムの導入、利用を企業などが組織的に管理するシステムです。
現在では、企業などにおいてもITは根幹をサポートしており、支障がITに出ると世の中は非常に混乱します。
そのため、組織全体として、ITの投資や利用、リスク管理などに取り組むことが必要です。
また、説明責任も株主やユーザーなどに対して果たす必要があります。
ITでガバナンスを整備する必要性が、このような背景から高まっています。
医療法人でのガバナンスの使い方とは?
ここでは、医療法人でのガバナンスの使い方についてご紹介します。
高い公益性が、医療法人にはあります。
そのため、民間の企業などのように、特定の人の利益を守るということでなく、経営者は社会的に経営の適切さと健全性が要求されます。
特に、医療法人は民間の企業と違って高度な治療という専門の知識が必要になります。
つまり、情報の非対称性がサービスを提供する医師と患者の間に起きやすい環境にあります。
ガバナンスを適正に確保するには、アカウンタビリティとコンプライアンスが必要です。
情報の格差が利害関係者の間で起きやすいため、医療法人には特にこのような2つの考え方が強く要求されます。
ガバナンスの関連語とは?
ガバナントが、ガバナンスの関連語としては挙げられます。
ガバナントは、「government」という英語表現になり、意味としては支配、統治になります。
一見すると、ガバナントとガバナンスは同じような感じがしますが、意味としては大きく違います。
ガバメントの意味は、一方的に社長が社員に命令するというようなものになります。
一方、ガバナンスの意味は、自治的な意味の社員や金融機関などが環境を自主的に作るというようなものになります。
使われる意味やシーンが近いため勘違いしやすくなりますが、注意して使い分けるようにしましょう。
ガバナンスの類義語とは?
ここでは、ガバナンスの類義語についてご紹介します。
組織統治
ガバナンスと組織統治も意味が同じように使われています。
しかし、組織統治は、多くの企業が社会の安心・安全を守って、透明性が高い組織・経営体制と法規制の遵守を築いて維持することによって、ユーザーや社会からの信頼性をアップする取り組みが強くなっています。
内部統制
内部統制は、ほとんどガバナンスと意味が同じですが、意味としては企業の管理体制ということがあります。
内部統制というのは、健全に行政や企業の組織を運営するための決まりや仕組みで、社内手続きの決まりを決めて、業務がこれに従って実施されているかを管理するものです。
内部統制の目的は、不正な業務が実施されないように防止したり牽制したりすることもあります。
コンプライアンスとガバナンスの違いとは?
コンプライアンスの意味は法令に企業が従うことで、ガバナンスの意味は企業が自分自身を支配することです。
しかし、基本的にガバナンスする目的、理由が、コンプライアンスするためのものです。
そのため、ガバナンスには、支配するよりも、社会に従うために支配するというニュアンスが含まれています。