「彼我(ひが)」の意味とは?
「彼我」の意味は、自分と相手です。
それぞれの「彼」と「我」の漢字の意味から、広く自分と相手を捉えて自分側と相手側や自分と他人、こちらとあちらなど、意味の解釈が文脈によって違います。
「彼我」は、「ひが」と読みます。
読み方は、「彼」と「我」の漢字をそれぞれ音読みしたものです。
「彼」は、訓読みが「かの」あるいは「かれ」で、現代では男性の相手をいう言葉として多く使われていますが、遠くの場所や第三者が持っているものをいうこともあります。
また、「彼」は、相手の性別に関係なく明治時代まで使っていました。
一方、「我」は、訓読みが「わ」あるいは「われ」で、意味が自分ということですが、わがままということもあります。
「彼我の差」の意味とは?
ここでは、「彼我の差」の意味についてご紹介します。
「彼我の差」に使っている漢字としては、「彼」と「我」があります。
「彼」は、3人称の「かれ」で、意味としては「あの人」「あの」「あちら」などがあります。
一方、「我」は、1人称の「われ」で、意味としては「私の」「頑固」「片意地」などがあります。
そして、「彼我」という熟語の意味合いとしては、「私と彼」「自分と他人」、「こちらとむこう」「自分と相手」などがあります。
しかし、漢文として「彼我」が使われるときの意味としては、「味方と敵」ということもあります。
このようなことから、「彼我の差」の意味は、「両者の差異」や「こちら側とあちら側での違い」ということになります。
自分達と相手方との間に見られる乖離(かいり)を表現するときなどに、「彼我の差」は使われることもあります。
「彼我の差」の読み方
「彼我の差」の読み方は、「ひがのさ」になります。
「彼」も「我」も非常によく使っている漢字であるために問題ないでしょうが、「ひが」の読み方は十分に注意しておきましょう。
「彼我の差」の使い方とは?
ここでは、「彼我の差」の使い方についてご紹介します。
「彼我」は、ほとんど普段は耳にするような言葉ではないでしょうが、相当硬いイメージを与える表現であるため、かしこまった文章で使われるようになるでしょう。
具体的には、「彼我の利害」や「彼我の力量の差」、「彼我の距離」などのシーンで、「彼我」は使うことができる言葉です。
なお、「彼」と「我」と書くことによって、「彼我」は人に限られた使い方のようにも考えられます。
しかし、「彼我」は人に限られた使い方だけでなく、会社、組織、団体、国家、地方などのいろいろなものでも、相互を表現することができる柔軟な使い方の幅広さがあります。
例えば、「彼我の差」の使い方としては、2つの国の比較するときに、「2国の習慣の彼我の差に大きな隔たりがある」などがあるでしょう。
「彼我の差」を使った例文とは?
ここでは、「彼我の差」を使った例文についてご紹介します。
例文1
「彼我の差は、イケメンでいうと、モテることの差に必ずしも比例しないだろう。」
イケメンというと、やはり外観の良さでモテることの差があると考えがちです。
しかし、これのみでは決してなく、性格がいいことなどもあるのではないでしょうか。
例文2
「利害関係における彼我の差は、何回もライバル社と協議を行なって調整できると判断した。」
同業他者の存在がどのような業態、業種でもありますが、協業というスタイルを取ることもときにはあるでしょう。
例文3
「西洋諸国を訪れて、文化の厚みの彼我の差に非常に驚いた。」
この例文は、明治維新の後に西洋諸国を日本が訪問したときにでてくるようなものですが、日本はその当時に鎖国を止めて、外国との交流を深めていくようになりますが、外国との差に非常に衝撃を覚えたでしょう。
「彼我の差」の類義語とは?
「こちら側とあちら側での違い」などというような意味がある「彼我の差」に似ている類義語としては、どのようなものがあるでしょうか?
ここでは、「彼我の差」の類義語についてご紹介します。
「自他の差(じたのさ)」
「自他の差」は、「彼我の差」の類義語になるでしょう。
「自他」というのは、自分と他人という意味です。
しかし、「自他」は、人のときだけでなく物のときでも幅広く使えます。
「双方の差(そうほうのさ)」
「双方」の意味は、こちらとあちらということであり、「双方のいい分」などのように、別個にそれぞれを取り扱う意味合いも含まれています。
そのため、「双方の差」というのは、こちらとあちらの差という意味になります。
「両方の差(りょうほうのさ)」
「両方」の意味は、2つの物事のいずれも、両者、双方ということがあります。
「両方」の使い方としては、「両方とも食べたい」「両方とも欲しい」などが多くあります。
「両方の差」は、2つの物事の差という意味になるでしょう。
「二者の差(にしゃのさ)」
「二者の差」の意味は、2つの物事の差ということになります。
「二者のいい分を聞く」などで、「二者」は耳にすることがあるでしょう。
「相互の差(そうごのさ)」
「相互」の意味は、働きかけがいずれの側からもあることや互いということです。
「相互」の使い方としては、「相互作用」などがあります。
「相互の差」の意味は、互いの差ということで把握しても問題ないでしょう。
「彼我」の英語表現とは?
ここでは、「彼我」の英語表現についてご紹介します。
「彼我」の直接の英語表現はありません。
そのため、「彼我」と同じ意味の英語表現についてご紹介します。
「彼我」と同じ意味の英語表現としては、例えば、男性が相手のときは「he and I」があり、女性が相手のときは「she and I」があります。
複数人が相手のときは「They and I」になりますが、英単語としては「we」が自分と相手を合わせた人称代名詞になります。
しかし、「we」は「彼我」のような自分と相手が対立した意味合いを伝えることができないため、「we」は「彼我」の英訳には使わない方がいいでしょう。
「he and I」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Because of the difference in ability between he and I, I can believe of my win.」(彼我の能力の差から、自分の勝利を信じる。)