「ほだされる」の意味と使い方とは?由来や語源、類義語などを解説




「ほだされる」の意味とは?

「ほだされる」の意味は、人情にからまれることです。

つまり、自分の考えや意思によらない行動を、相手の同情や感情にかられてとってしまうことです。

感情の動物である人間は、相手の気持ちや人情によく影響されるようになります。

そのため、もともと自分が持っている思いや感情とは違って、相手の人情に一時的に流され、ひかされてしまうときがあります。

「ほだされる」というのは、自分の考えや意思に基づかないこのような一連の行動のことをいいます。

そのため、基本的に「絆」という言葉の意味のように「断ちにくいつながり、束縛するもの」ということを考慮すれば、「ほだされる」は気持ちが人情によって縛られたため、断ちにくいつながりができる状況ともいえるでしょう。

「ほだされる」の由来や語源とは?

「ほだす」という言葉の受け身に「ほだされる」はなっています。

「ほだす」は、網で縛る、つなぎとめる、人の自由を縛るというような意味になります。

そのため、「ほだされる」は、人情で縛られる、束縛されるというような意味で、何かを自分の考えや意思ではないがしてあげるというようなときに使用します。

「ほだされる」の使い方とは?

ここでは、「ほだされる」の使い方についてご紹介します。

相手に共感するとき

「ほだされる」は、積極的な気持ちの繋がりや素朴な言動を表すときにも使います。

例えば、子供の純粋な願いや素朴な笑顔に対して、気持ちがつなぎ止められて、心がいい意味で縛られるときに「ほだされる」を使うときがあります。

ある程度「ほだされる」の意味は積極的なもので、「共感して承諾する」というような意味合いでも使います。

  • 小学校のPTA役員を、子供たちの笑顔にほだされて引き受けることにした。
  • 息子が猫を保健所から引き取りたりたいという優しさにほだされた。

相手の同情や熱意によって要求を承諾するとき

「ほだされる」の意味は、気持ちが相手の必死な姿勢や厳しい状態に流されてしまって、気持ちが相手と同じになることというものもあります。

そのため、自分の考えや意思ではないが、強い相手の要求や熱意に対して要求を最終的に承諾するときにも使います。

このときは、強い相手の要求や熱意によって自分の心が何らかのタイミングで奪われて、そのような気持ちを自分まで持ってしまうことであるため、ちょっと本意ではない意味合いもあるでしょう。

ここでは、例文についてご紹介します。

  • 人情にほだされたのは、声を枯らして新人の名も無い候補者が演説していたためだろう。
  • 厳しく何回も断ったにも関わらず、営業マンが笑顔でやってくる情熱にほだされた。

「ほだされる」の類義語とは?

ここでは、「ほだされる」の類義語についてご紹介します。

「人情にもろいこと」

「人情にもろいこと」の意味は、心が動かされやすいということになります。

また、「もろい」の意味は、あっけない、持ちこたえる力が強くない、こわれやすい、というようなものもあります。

例えば、「人情にもろいこと」の使い方としては、「人情にもろいということでも、人間性が強くないというわけではありません」「彼女はああ見えても人情に非常にもろいので、真剣に頼んでみれば問題ないでしょう」などがあります。

「同情すること」

「同情すること」というのは、自分も同じように他の人の悲しみ、苦しみ、不幸なことを感じていたわったり、思いやったりする心を持つことで、「かわいそう」という気持ちでもあります。

例えば、「同情すること」の使い方としては、「同情しても彼のためにはならない」「お金を同情して貸すのは馬鹿である」「冷たい人で同情心が全くない」などがあります。

「感情を移入すること」

「感情を移入すること」というのは、他の人のことでも、本当に自分のことのように考えることです。

「移入すること」の意味は、移し入れるということです。

使い方としては、「本を読んでから、感情を主人公に移入して涙が出てきた」や「感情を移入して彼女をサポートしている」などがあります。

「ほだされる」の対義語とは?

では、どのような言葉が「ほだされる」の対義語になるのでしょうか?

はっきりした対義語がないときは、当てはまる言葉を意味合いから見つけてみましょう。

ここでは、「ほだされる」の対義語についてご紹介します。

「人情に流されない」

「ほだされる」の意味が、自分の考えにはないような行動を人情に流されてとるということであるため、対義語としては「人情に流されない」になります。

使い方としては、「彼は人情に流されるような男ではない」や「それほど容易に人情に流されない」などがあります。

「冷静である」

「冷静である」の意味は、落ち着いている、感情的にならないということです。

使い方としては、「状況を冷静に見極める」や「彼女の涙にも、彼は非常に冷静であった」などがあります。

「共感しない」

「ほだされる」の意味は、人情にかられる、人情にひかされるです。

「ほだされる」の対義語としては、容易に同情したり、人情にひかれたりしないということで「共感しない」が該当します。

使い方としては、「共感しないと援助できない」「頼まれても共感しない」などがあります。

「ほだされる」の間違った使い方とは?

ここでは、「ほだされる」の間違った使い方についてご紹介します。

「ほだされる」の意味は、「騙される」「コントロールされる」という良くないものではありません。

「まんまと相手の魅力にほだされた」「人情にほだされて無理なことをするなよ」などというように、完全に「ほだされる」が良くない意味で使われるときがあります。

これは、「ほだされる」の意味が、相手の人情によって自分の心が縛られて自由な気持ちではない、というように間違った意味で理解されているためです。

気持ちや感情がコントロールされるという意味で、「ほだされる」を使うのは間違っています。

さらに、「騙される」というように相手を責めるような意味で使うのも間違っているでしょう。

「ほだされる」の意味としては、「人情にひかれて、本来の考えや行動や心の自由が縛られること」というものがありますが、意味合いとしては相手の心に繋ぎとめられるというものが強くあります。

最もいい「ほだされる」の使い方は、自分の気持ちが相手の気持ちと同じようになる、そのような気持ちになるという背景におけるものです。

「ほだされる」の英語表現とは?

「ほだされる」の英語表現としては、「She is very symparthetic」(彼女は非常に人情にほだされる)、「be touched by she cagerness.」(彼女の熱意にほだされる)などがあります。




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RUN-WAY編集部

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