法人格とは?
法人格というのは、法人が取る人格あるいは法人に与えられた人格ということです。
例えば、会社を創るときは、仕事をするところ、資金、技術、人材、商品などを必ず集める必要があります。
一般的に、会社でなく、グループや団体には保証性や権利的能力はありません。
しかし、法人格を取ると、資金、技術、人材などを日本の法律によって持つことができます。
そして、社会の中でこのような団体は法人として認められて機能できるようになります。
法人格とは、この権利能力のことをいいます。
ここでは、法人格についての大切な法律についてご紹介します。
例えば、会社で仕事をしている社員が営業するために名刺を使うとしましょう。
具体的には、「〇〇株式会社 営業部○○」などというように、社員が法人格の名前を使って仕事を行うということです。
しかし、この法人格の名前を使って、仕事に関係が無いところで悪用したりすれば、会社の評判や信用に良くない影響を与えます。
このようなときは、法人格否認の法理のために、会社の名義で商売をしても社員の法律行為として認められる場合があります。
法人格否認の法理は、このように法人格を保護する権利として確立されています。
法人格を理解するためには、それぞれの人が持っている人格について深く理解することが大切です。
基本的に、人格というのは個人としての資格です。
そして、人は誰もが生まれながらにして人格という権利を持つことができます。
人は生まれた瞬間に、自分が存在していることが法律上でも正式に認められています。
このように、人格という権利を人が持っており、個人としての権利を持つことを自然人といいます。
全ての生きている人は生まれてから自然人になりますが、法人格は会社、団体、組織などのように、性質が違っており、いろいろな種類にわかれています。
法人格のときは、法人登録によって法人としての機能権利を取る必要があります。
法人格を取るメリットとは?
個人事業主として仕事をしている個人が、法人格を取りたいと思うケースは多くあるでしょう。
では、どうして法人格を取るといいのでしょうか?
ここでは、法人格を取るメリットについてご紹介します。
いろいろな税金の金額が安くなる
ビジネスをスタートすると、必ず税金が所得に対してかかります。
個人事業主のときの税金としては住民税、所得税、事業税がかかりますが、法人格のときは法人住民税、法人税、法人事業税がかかります。
いずれも課税義務がある同じようなものですが、両者は大きく税率が違っています。
所得税については、累進課税が所得税額によって課されますが、法人格のときは二段階課税になって25.5%が上限と決まっています。
そのため、所得がある程度以上になれば法人格の方が、いろいろな税金の金額が安くなるというメリットがあります。
個人事業主から法人格にすると、納める税金の制度が変わります。
なお、ネットなどでは、どの時期に法人格にすると大きな節税効果があるか、あるいは、法人格にした後も効果があるのはどのような節税方法かなどについて紹介しているため参考にしてください。
経費を計上するときに節税できる
経費はビジネスに必要なものに限られていますが、この基本が個人事業主のときは徹底されています。
経費としてビジネスに関係ないものは計上することができませんが、会社主体で活動する法人格は、処理が損金としてできるため経費として計上できるものの種類が多くなります。
当然ですが、全くビジネスと関係ないものを経費として計上することはできませんが、例えば、出張するときの交通費を設けると、出張するときの交通費を出張旅費として経費で全て計上することができるため節税になります。
相続税が節税できる
法人格ではない個人事業主のときは、事業主が亡くなることによって持っていた資産は個人のものとして取り扱われるため、相続税を納める必要があります。
このときに、相続税が多額になるためびっくりする人も多くいるでしょう。
しかし、法人格にして家族を社員にすると、所得が分散して、課税対象額を少なくすることができます。
相続税をさらに納める必要はありません。
資産をこのように残すことによって、容易に個人事業主の世代交代ができるようになり、ビジネスを次の世代に残すことができます。
社会的な信用が獲得できる
法人格にして、はっきりと会社の事業所の住所を明示して、ビジネス内容や社員数が第三者に公示してわかることは、社会的な信用が獲得できます。
会社を創ることと法人格にするのは同じ意味ですが、社会的に信用がある会社はその責任所在を明確にしています。
このことによって、契約による別の法人との繋がりを持つことがスムーズに進み、ビジネス内容が充実します。
ビジネス内容が法律によって明確になる
法人格にすることによって、法律上、法人として個人が存在することが認められます。
そして、年々法人格は時代に適したように変わっていきます。
このような政策の流れに乗れることも、法人格のメリットです。
また、法人格はいろいろな補助金なども受けられます。
団体名が与えられることで明確にビジネスをすることもできます。
例えば、非営利団体とすれば、利益を徹底して追求するような会社ではないと認識されやすく、目的が同じ会社にはわかりやすいというメリットがあります。
法人格を選ぶときに注意することとは?
ここでは、法人格を選ぶときに注意することについてご紹介します。
法人の種類が変えられない
法人の種類を変えたくても、初めに選んでいる法人格によっては変えられないときがあります。
変えられない法人格としては、主として次のようなものがあります。
- NPO法人
- 財団法人
- 社団法人
そのため、法人の種類は慎重に決めましょう。
どうしても変えたいときは、一旦解散してから、法人格を新しく設ける必要があります。
一方、株式会社と持分会社の営利法人のときは、法人の種類を変えることができます。
持分会社から別の持分会社に変えたいときは、定款を変えることでできます。
有限責任は確実に有限か
合同会社や株式会社では、有限責任であることは同じです。
しかし、融資を金融機関から受けるときは、有限責任は通用しません。
基本的に、融資を受けるときは、連帯保証人が法人格については必要になります。
連帯保証人としては、会社の代表者の社長自身がなるときが多くあるでしょう。
このときは、融資金の返済を会社ができなくなれば、債務を連帯保証人の社長が負うようになります。
そのため、社長は自己資金を使ってでも弁済する必要があることを把握しておきましょう。