「威厳」の意味と使い方とは?
「威厳」は、「おごそかで近寄りがたいこと」という意味です。
「威厳」のイメージとしては、日本の昔の父親像などがあるでしょう。
日本の昔の父親は、厳しくて恐ろしいので話が気軽にできませんが、立派で万一のときには頼りになるというような感じです。
「威厳がある」というのは、単純に恐ろしいのみでなく、基本的に他の人から敬われている必要があります。
重々しくて落ち着いた雰囲気があることも大切であるため、「威厳」を若い人が備えるのは困難でしょう。
中年以降の人は「威厳」がある人が多くいます。
「威厳」の「威」の意味は「恐れさせる」で、「厳」の意味は「おごそか」ということです。
そのため、「威厳」の意味は「畏れ多くておごそかなこと」になります。
「威厳」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「威厳を若くして備えた男である。」
- 「威厳がある声で演説をする。」
- 「威厳をリーダーは維持する必要がある。」
「尊厳」の意味と使い方とは?
「尊厳」の意味は、「気高くて威厳があること」「厳かで尊く侵してはならないこと」などがあります。
日本国憲法においては個人の「尊厳」が認められており、価値基準の最高のものになります。
基本的人権を考えるときは、特に人間の「尊厳」は平等権の根拠になるものであり、歴史的、世界的に正当性がある自然権であるとされています。
人間の「尊厳」は、社会生活において大切な概念であり、世界人権宣言や国際連合憲章などでも認められています。
「尊厳」は、「人間の尊厳」「個人の尊厳」などというような使い方があります。
例えば、個人の「尊厳」については、セクハラやパワハラ、いじめなどは冒涜であるとされており、非常に人間の「尊厳」を保護することは大切です。
「尊厳」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「尊厳はどのような国の人でも守る必要がある。」
難民が世界的に問題になっていますが、難民ということでも人間としての価値は持っています。
人間の「尊厳」は、どのような国の人でも、どのような人種でも守られる必要があります。
- 「世界的に個人の尊厳は認められている。」
ごく最近になって、人間の「尊厳」、個人の「尊厳」が認められるようになりました。
例えば、第二次世界大戦のときは、強制収容所をドイツのナチスが作って、ユダヤ人を殺していました。
人権という概念がこの時期はまだなく、残虐にユダヤ人は殺されました。
第二次世界大戦が終わって、人間の「尊厳」という概念が世界的に認められるようになりました。
「威厳」と「尊厳」の違いとは?
「威厳」の意味は、「厳かで近寄り難いくらい堂々としている」ということです。
一方、「尊厳」の意味は「厳かで尊く、気高くて犯しがたい」ということであるため、「威厳」とは意味が違っています。
「厳かで堂々として近寄り難い」が「威厳」であり、「メンタル的に厳かで尊いため犯しがたいという価値観」が「尊厳」です。
「威厳」の類義語とは?
ここでは、「威厳」の類義語についてご紹介します。
「貫禄」
「貫禄」の意味は、「身体から感じられる立派さ、重み」「身に備わっている威厳」ということがあります。
「身に備わっている威厳」という意味が「貫禄」にはあるため、「威厳」の類義語になります。
しかし、基本的に「身に備わっている」ということであるため「外観」に限られています。
「貫禄」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「最近肉が腹回りについてきたので、貫禄があるように感じる。」
「威勢」
「威勢」の意味は、「勢い」「元気」ということがあります。
「威」という漢字が「威厳」とは共通しており、「人を怖がらせて従わせる」という意味で共通しています。
「勢い」が「威勢」にはありますが、「厳かな様子」が「威厳」にはあるということで違っています。
「威厳」の類義語として使うときは、人に対して強い威圧感がある状況であれば使えます。
「威勢」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「権力者の威勢に恐れる。」
「迫力」
「迫力」の意味は、「強く人の心に迫る力」ということがあります。
「威厳」とは、「強く人の心に迫る」という様子が通じるところでもあります。
「迫力」は圧力や勢いが一時的ですが、「威厳」は圧力が常に体から発しているともいえます。
「迫力」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼は何となく迫力に欠ける。」
「尊厳」の類義語とは?
ここでは、「尊厳」の類義語についてご紹介します。
「人権」
「人権」は、幸福に生きるためのもので、民族や人種、性別に関係なく認められた権利の基本的なものです。
しかし、差別などもいまだにあり、必ずしも人権が実際に認められているとはいえません。
「威厳」
「威厳」の意味は、「厳かで堂々としている様子」「他の人を圧するような厳しさのこと」「近寄りがたいくらい堂々としていること」になります。
「品格」「貫禄」などといわれるときもあり、「威厳がある態度」などの使い方があります。
「自然権」
「自然権」は、自然状態の段階から人間が持っている自由や生命、健康、財産についての権利であり代表的な「自然権」が「人権」です。
普遍的な人間価値を持つ平等と自由は基本的人権のメインであり、誰でも持っている大切な権利です。
「威厳」の英語表現とは?
英単語の「dignity」が、「威厳」の英語表現としては最も適切でしょう。
「dignity」の意味は、「威厳」以外に「尊厳」というものもあります。
「dignity」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「He is a person of dignity.」(彼は威厳がある。)
- 「He has a dignified attitude.」(威厳がある態度で彼は接している。)
- 「In today’s modern society, fathers lose their dignity.」(今日の現代社会においては、威厳を父親たちは無くしている。)
「尊厳」の英語表現とは?
英単語の「prestige」が、「尊厳」の英語表現になります。
「prestige」の意味は、品質・地位が高いことなどからくる「威信」「信望」「名声」「威光」になります。
「prestige」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「Damage someone’s prestige.」(人の威信にダメージを与える。)
- 「Maintain one’s prestige.」(人の威厳を維持する。)
- 「Enjoy great prestige among.」(信望が~の間で厚い。)