「インターバンク市場」の意味とは?
「インターバンク市場」というのは、銀行間市場で、仲介業者、専用の端末、ネット、電話などを通して、銀行間で行う為替取引です。
取引に参加できるのは、普通の投資家ではなく金融機関に限られています。
「インターバンク市場」は、基本的に、金融機関の短期の1ヶ月未満の資金が取引されています。
主として行われている取引は、期日決済日に翌営業日がなる翌日物(オーバーナイト物)がメインの非常に短期の資金です。
「インターバンク市場」としては、手形売買市場、コール市場、東京ドル・コール市場があります。
有担保での取引が長い間メインでしたが、無担保コール市場が1985年7月に開設されて、有担保コール市場の取引が1990年代には上回るような規模にまで成長しました。
しかし、「ゼロ金利政策」が1999年に導入されたことによって、有担保コール市場と同じ規模にまで無担保コール市場は縮小しました。
なお、「インターバンク市場」の対義語としては、市場に一般の事業法人などが自由に参加でき、証券会社や金融機関、公的機関、外国企業などが参加している「オープン市場」があります。
「インターバンク市場」の種類とは?
「インターバンク市場」の種類としては、「手形売買市場」と「コール市場」があります。
「手形売買市場」というのは、担保に手形をして、市場で自己引受の手形を振り出して取引する市場で、短期の資金をお互いに金融機関が賃借するために行われています。
主として、短資会社(FX業者)が借り手あるいは貸し手のいずれかの当事者として取引します。
取り引きする手形としては、「原手形」という優良企業の商業手形と「為替手形」という金融機関が振り出す有価証券があります。
しかし、「為替手形」による取引が、実際の取引においてはメインです。
基本的に、取引額の最低は1,000万円で、取引は100万円刻みで行われます。
一方、「コール市場」というのは、短期の資金の借り入れ、貸し付けを行う市場です。
「コール市場」といわれているのは、資金の毎日の課不足分をコントロールするために行われている市場です。
「半日物取引」という約定日に取引が成り立つもの、「翌日物取引」という約定日の次の営業日に取引が成り立つもの、「期日物取引」という自由に取引日と決裁日が決められるものがあります。
また、「コール市場」においては、積極的な日本銀行の介入によって金利が低くなっています。
「コール市場」としては、担保が必要な「有担保コール市場」と担保が必要ない「無担保コール市場」があります。
「有担保コール市場」は、担保が資金の借り手から提示されて行われるもので、主として大口取引の時に行われています。
一方、「無担保コール市場」というのは、スタートしたのが1985年7月からで、資金の借り手と貸し手が短資会社(FX業者)の仲介によって条件をそれぞれ提示して成り立つもので、後払いに利子はなりますが、借り手と貸し手の両方が取引手数料を短資会社に払います。
「外国為替」と「インターバンク市場」の関係とは?
ここでは、「外国為替」と「インターバンク市場」の関係についてご紹介します。
「外国為替」が「インターバンク市場」で取引される
「インターバンク市場」の「外国為替市場」においては、「外国為替」が24時間世界中の金融機関の間で取引されています。
取引されるところは、東京、シンガポール、香港、ヨーロッパ、ニューヨーク、ロンドンがあり、どこかの市場が常に開いています。
「外国為替」というのは、2つの違った通貨を交換することで、「先物為替」と「直物為替」に通貨の受け渡し時期によってわけられます。
「先物為替」は受け渡し(決済)が契約した日から2営業日以降に行われ、「直物為替」は受け渡し(決済)が通貨取引の契約した日から2営業日以内に行われます。
「インターバンクレート」
「インターバンクレート」というのは、外国為替市場で通用しているもので、「インターバンク市場」での為替取引のものです。
取引はそれぞれの金融機関が世界中で一対一で行なっているので、「インターバンクレート」は多くあります。
有利なレートがこの中から選択されて、顧客と金融機関が取引する相場の価格が決まります。
「インターバンクレート」と、この顧客に対するレートは「対顧客公示レート」として区別されています。
短資会社(FX業者)と「インターバンク市場」の関係とは?
短資会社(FX 業者)の役割は、個人の投資家と金融機関の中で取引される「インターバンク」を仲介することです。
「インターバンク」に参加できるのは金融機関のみですが、個人の投資家の代わりを短資会社(FX業者)が行うことによって取引ができます。
短資会社(FX業者)は、外貨を顧客の証拠金を担保にして取引します。
このような取引を「FXトレード」といいます。
「インターバンク市場」のメインの市場とは?
では、 「インターバンク市場」のメインの市場とはどこでしょうか?
ロンドン市場が、為替の取引量が多くあり、「インターバンク市場」のメインの市場になります。
というのは、ニューヨーク市場の朝方とロンドン市場の午後が重なり合っているので、最もこの時間帯が市場に参加する人が多いためです。
この時間帯は、東京のディーラーが残業して見ている時がよくあります。
一方、東京市場は参加する人が多くないマーケットです。
現状の「インターバンク市場」とは?
ここでは、現場の「インターバンク市場」についてご紹介します。
「インターバンク市場」においては、地方銀行、生命保険会社、信託銀行(投資信託分)などが資金の「出し手」で、メガバンクが最大の資金の「取り手」です。
しかし、近年、変化がメガバンクには見られます。
「インターバンク市場」におけるメガバンクの資金の調達が少なくなり、資金の「出し手」にメガバンクがなることも見られるようになっています。
この原因としては、メガバンクが再編されて統合されたことによって集約されて少なくなったことで、資金のやり取りがメガバンクの中でできるようになったことが挙げられます。
なお、「インターバンク」を担当しているディーラーも少なくなっています。
また、日本銀行がリーマンショックの後から資金を潤沢に供給することによって多額の超過準備を金融機関などは抱えるようになって、毎日の日本銀行の当座預金残高をコントロールする必要性が少なくなり、貸し出しが伸び悩むことによって資金の需要自体が少なくなっています。
さらに、外国の金融機関の資金調達が、金融危機によるカウンターパーティーリスクが顕在化したことによって難しくなったことも影響しています。