「可塑性(かそせい)」の意味とは? 由来や類義語などを解説




可塑性(かそせい)の意味とは?

「可塑性(かそせい)」は次のような意味があります。

  • 固体に力を外から与えて変形させて、力を除去した後に元に帰らない性質や状態
  • 永久変形する物質の性質で、一時的な歪んだ固体の回復
  • 外界の刺激に対する神経の構造的や機能的な変化

普通の人には「可塑性」自体があまり馴染みのない言葉でしょうが、「可塑性」の意味としては2つに大きくわけられます。

1つ目の意味は、力を固体に与えた後も元に帰らない性質です。

固体に力をある程度与えると、変形しても元通りになりますが、その限界をオーバーして力を与えると変形した状態で元通りになりません。

これを「永久歪」や「永久変形」といって、この状態になることを「弾性限界」といいます。

2つ目の意味は、学習や記憶についての「可塑性」です。

もともとは「神経の可塑性」の1つのジャンルでしたが、近年は神経科学としてだんだん解明されて、「記憶は老いても鍛えられる」と発表されたため、話題の言葉に一部ではなりました。

今までの常識は、学習能力や記憶は若いほど高く、年をとっていくと体力と同じように衰えてくるということでした。

しかし、脳の中のニューロンという神経細胞同士を結び付けるシナプスという接合部が大切なポイントで、つまり「シナプス」を鍛えれば学習能力や記憶がアップするだけでなく、ボケ防止に対してもいい影響があります。

つまり、「シナプス可塑性」は健康な脳にする行動ともとれるものです。

「シナプス可塑性」は、毎日、運動や健康的な食事、生きがいや趣味、タバコと酒を控える、他の人との会話、睡眠などを実践することによって増強します。

可塑性の由来とは?

個体に対する外部の力によって永久的に変形するという意味での「可塑性」は、「rheology」(レオロジー)が英語表現で、ユージン・ビンガムというアメリカ人の科学者が1929年に発見したものです。

「シナプス可塑性」と「脳可塑性」は、ドナルド・ヘップというカナダ人の心理学者が1949年に唱えたのが由来であるとされています。

「可塑性」の類義語とは?

ここでは、「可塑性」の類義語についてご紹介します。

「可鍛性」

「可鍛性」というのは、圧力や衝撃を固体に与えても壊れなくて変形させられる性質です。

加工の難易度を表現しており、主として金属の鍛造加工で使われています。

日本刀の鍛造のように、火で加熱したりハンマーで叩いたりするプロセスを経ることによって、形以外に性質も変わって、切れ味が鋭い日本刀に生まれ変わります。

「可塑性」の対義語とは?

ここでは、「可塑性」の対義語についてご紹介します。

「弾性」

「弾性」というのは、力を物体から取り去ったときに元の形に帰る性質のことで、力を取り去っても元に帰らない「可塑性」の対義語になります。

例えば、風船を輪ゴムで引っ張って伸ばしたり、指で押して凹ませたりしても、指を離すと元の形に帰ります。

しかし、弾性限界の一定の強度以上の力を与えると、輪ゴムが切れたり風船が割れたりして元の形には帰りません。

そのため、弾性限界以下の力を与えたときに限って「弾性」が発揮されます。

「可逆性」

「可逆性」は、元に変化を帰すことができる性質を表現しているため、「可塑性」の対義語になります。

「非可塑性」

「可塑性」の対義語としては、「非」という打ち消しの接頭辞をプラスした「非可塑性」もあります。

「神経可塑性」とは?

脳が学習する仕組みが、「神経可塑性」です。

人は、これは美味しい、これは危ないというような生きるために必要なことを、毎日の生活で学んで成長します。

「神経可塑性」という仕組みのおかげで、人はサッカーができたり、言葉が話せたりします。

何回も言葉の意味を聞く、同じ動作をテニスで繰り返す、繰り返して算数の問題を解いてみる、というような情報を伝えれば神経細胞体は多く、神経突起は太くなって、刺激が早く正しく伝わるようになります。

そして、効率よく多くなった情報が記憶できるように、脳の別の領域の神経細胞との繋がり、つまりネットワークがより広く、細かく変わって、ある刺激が入ってくれば、協力体制を素早く連動して反応できるように作り上げていきます。

人が生きていくために、この仕組みは大事なもので、心地いい刺激に対してのみ作用するものではありません。

例えば、リスクを感知して逃げる、異変が自分の体に起きているなどの刺激を学ぶことも大事です。

特に、不快な痛みなどの刺激は、リスクを感知する大事な手がかりです。

このような不快な刺激に対しても、脳は「神経可塑性」を発揮します。

「可塑性」の英語表現とは?

「plastic」(プラスチック)が、「可塑性」の英語表現になります。

ギリシャ語の「形づくる」ことを意味する「plastikos」(プラスティコス)が、「plastic」の語源です。

プラスチックは、眼鏡やペットボトル、携帯電話や家電品など、暮らしに必要な製品に使用されている素材で、成形が自由にできるという性質が素材の名称にそのままなっています。

なお、プラスチックを成形するときは、一般的に金型に原料を入れることによって任意の形にすることができます。

「plastic」を使った例文として、次のようなものがあります。

  • 「I want to have plastic surgery.」(私は整形手術をしたい。)
  • 「She had plastic surgery.」(彼女は整形手術をした。)

「可逆性」と「可塑性」の違いとは?

ここでは、「可逆性」と「可塑性」の違いについてご紹介します。

「可逆性」というのは、他の状態に変わったものを元に帰すことができる性質です。

例えば、水を凍結した氷を加熱すると水に帰るというケースがわかりやすいでしょう。

一方、生卵を加熱したゆで卵は元に帰すことはできないため、「非可逆性」といいます。

「可逆性」も「可塑性」も性質が変化できるということにおいては同じですが、変化の方向性が違っています。

「可逆性」は元の状態に向かうことで、「可塑性」は元の状態から離れるということであるため、変化の方向性は逆になっています。

さらに、元の状態から「可逆性」による変化は変わっていないようにみえます。

元の状態に損傷した脳が帰らないときでも、失われた機能が戻るときもあります。

この理由は、脳の「可塑性」によるためで、脳の別の部分の機能が変わって失われた機能をカバーすることができるようになったためです。

そのため、「可逆性」が状態になくても元に機能が戻ることはあり得るということで、最終的に「可逆性を」「可塑性」によって獲得したようにみえます。






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RUN-WAY編集部

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