懸案事項の意味とは?
懸案事項というのは、「以前から解決していない項目」「かねてから問題になっている事柄」です。
懸案事項の「懸案」の意味は「長い間解決していない状態の問題」ということがあり、「事項」の意味は「物事を構成している個々の事柄」ということです。
そのため、懸案事項は以前から問題にずっとなって解決していない事柄をいいます。
「かねてからの懸案事項」という表現を耳にすることがありますが、この表現は間違っています。
懸案事項の意味には「かねてから」や「以前から」ということが含まれているので、「かねてからの懸案事項」は意味の同じ言葉が重なるようになります。
懸案事項の意味は、「かねてから問題になっている事柄」ということであるため注意しましょう。
懸案事項の使い方とは?
ここでは、懸案事項の使い方についてご紹介します。
ビジネスシーンの会議やスピーチなどで使う
懸案事項は、あまり普段の会話などでは使いませんが、ビジネスシーンの会議やスピーチなどでよく使われています。
また、かしこまった表現で新聞やテレビのニュースなどでも使われています。
議事録の最後に提案事項は書く
会議中に解決できなかった問題や次の会議の検討項目などを議事録の最後に懸案事項として書いておけば、チェックが後からしやすくなります。
待ち合わせや会議などの議事録を作る時は、会議内容と決まった事項を書いてから懸案事項を最後に書きましょう。
懸念事項と懸案事項の違いとは?
懸案事項と同じような言葉としては、懸念事項があります。
懸念事項はよくビジネスシーンで使われる言葉ですが、懸案事項と同じ意味であると考えている人も多くいるでしょう。
「懸案」の意味は、以前から問題になっており、解決がまだできない事柄のことです。
一方、「懸念」の意味は、気がかりで心配に思うことや、先行きを不安に思うことです。
懸案事項の意味は以前から問題になっていることや具体的に問題になっている事柄をいいますが、懸念事項の意味は先行きが心配に思う事柄という違いがあります。
懸念事項を使った例文しては、次のようなものなどがあります。
- 「このプロジェクトを行うに際して、懸念事項は現在のところありません。」
- 「マンションを建て替えする時の懸念事項は、住民の全ての賛同を得られるかどうかである。」
課題と懸案事項の違いとは?
ビジネスシーンでは、課題という言葉が問題点について示す時によく使われます。
課題は解決を要求されている問題ですが、意味としては懸案事項のように以前から問題になっている事項をいうようなものはありません。
課題の使い方としては、「課題が懸案事項を解決するために必要である。」などのように、問題を解決するために行うべきことをいいます。
課題を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「商品の売上をアップするためには、いかに顧客の購買単価をアップするかが課題である。」
- 「駅前の再開発を成し遂げるための課題としては、市民の賛同を獲得することが挙げられる。」
懸案事項の類義語とは?
ここでは、懸念事項の類義語についてご紹介します。
懸念点
懸念点というのは、「気がかりになっていたり、不安に思ったりしていることや課題」です。
懸念事項とニュアンスが相当似ていますが、懸念点は焦点を内容の細かなところに当てています。
そのため、話をある一点に集中する時は懸案事項ではなく懸念点を使うといいでしょう。
わだかまり
わだかまりというのは、「心の中で消化されていない不満や疑念、あるいはこのような気持ち」です。
懸念事項と比較すると、わだかまりの方が感情的な表現がより強くなっています。
そのため、使うシーンが懸念事項とは違うため注意しましょう。
気懸かり
気懸りというのは、「心に引っかかるものや事柄、気がかりで心配すること」です。
「気掛かり」「気がかり」などの書き方があります。
懸念事項の意味と比べてみると、気懸りの意味は割合似ていることがわかります。
しかし、基本的に、気懸りは普段の会話などのシーンで使います。
そのため、 ビジネスシーンでは、気懸りではなく懸念事項を使う方がかしこまった表現になるでしょう。
懸念事項の言い換え表現とは?
懸念事項を使う時は、言い換え表現を把握しておきましょう。
ここでは、懸念事項の言い換え表現についてご紹介します。
気に掛かる点
気に掛かる点というのは、「気がかりで心から離れない、心配なことや事柄」です。
懸念事項よりも、気に掛かる点は焦点を絞った、より柔らかい表現です。
そのため、懸念事項の言い換え表現としても使えます。
しかし、かしこまったビジネスシーンなどで使うのは適当ではないため、このようなシーンで使う時は懸念事項の方が適切です。
懸念材料
懸念材料というのは、「落ち着かなくて気懸りな状況にさせている要因になる物事や要素」です。
懸念材料も懸案事項も同じようなニュアンスを持っているため、言い換え表現としても適切です。
しかし、不安なことや気懸りなことを指摘する時は、懸念材料よりも懸念事項の方が適切でしょう。
不安要素
不安要素というのは、「不安になる理由や要素」です。
懸念事項の「懸念」にも「気がかりや不安」というような意味合いがあるため、不安要素は言い換え表現としても使えます。
しかし、ビジネスシーンにおいては、不安要素は適切でない表現であるため注意しましょう。
普段の会話で使うのは問題ありません。
懸案事項の対義語とは?
ここでは、懸念事項の対義語についてご紹介します。
安堵
安堵というのは、「気がかりなことが無くなって安心すること」です。
これ以外にも、「安心して暮らせるところ」「安心して垣根の中の土地で生活すること」があります。
また、「幕府・領主が土地の領有権・所有権・知行権などを公に認めたこと」として、歴史的な用語としても使われます。
懸念の意味合いは、「気がかり」以外に、「危惧」というものもあります。
そのため、安堵は「気がかりが無くなる」という意味であるため、懸念事項の対義語になります。
確信
確信というのは、「固い信念」「固く信じて疑わないこと」です。
懸念事項の「懸念」の意味は、「気がかりで心が離れないこと」です。
そのため、一見すれば関係がないような感じがしますが、確信の意味は「気がかりなことに囚われなくて固く信じること」であるため、懸案事項に対義語になります。
放念
放念というのは、「心配したり、気に掛けたりしないこと」です。
懸案事項の「懸念」の意味としては、「気がかりや不安」以外に、「一つのことに意識が執着すること」があります。
放念と懸念の意味を比較してみるとわかるように、意味が反対であるため、放念も懸案事項の対義語になります。