「起承転結」の意味とは? 由来や使い方のコツを解説




「起承転結」の意味とは?

「起承転結」というのは、より文章や話がわかるようにするための方法です。

他の人に対して文章を書くときは、思いついたままで文章を書くと相手がわからなくなって、考えているように意図が伝わりません。

しかし、「起承転結」を考慮して文章を書くと、相手にスムーズに自分が言いたいことをわかってもらいやすくなります。

「起承転結」の由来とは?

もともと「起承転結」は日本で誕生した言葉ではありません。

中国の漢詩で「起承転結」は使用されていました。

「起承転結」によって、最も短い「絶句」といわれる漢詩が書かれたとされています。

この「絶句」では、いかに効率良く少ない文字数で内容を伝えるかが重視されており、「起句」「承句」「転句」「結句」という構成がこの一つの方法として使用されていました。

日本に「絶句」の書き方が伝わって、簡潔に文章や話を伝えるために「起承転結」が使用されるようになったと言われています。

「起承転結」のそれぞれの文字の意味とは?

「起」の意味とは?

「起」の意味は物事の始まりです。

物語では状況や設定を表す箇所です。

どのような人物が登場するか、どのような世の中や時代か、どのように物語が始まるかなどを紹介します。

また、感想文などでは、文章の主題を書く箇所になります。

「起」は、文章の中に読む人を引き込むために大切な箇所になります。

この箇所でどのようなことを読む人にアピールしたいかを十分に伝えることによって、続けて文章を読んでくれます。

「承」の意味とは?

「承」の意味は「出来事」です。

「起」の箇所を受けて、出来事を具体的に表す箇所です。

物語では話の流れになる箇所で、内容としてはきっかけになるものを書きます。

論文では、自分の具体的な考えなどを書く箇所になります。

「転」の意味とは?

「転」の意味は「転機、転換」です。

「承」から話の流れが違う出来事を書きます。

このときは、基本的に「承」を転換することが大切です。

表と裏の関係に「承」と「転」はなる必要があります。

物語では、話のメインとして最も盛り上がる箇所であり、内容としては「承」で示したきっかけの解決を書きます。

論文では、「承」で書いた自分の考え方とは逆の事例を示して、自分の考え方が間違っていないことを証明する箇所になります。

「結」の意味とは?

「結」の意味は、「結論、結末」です。

文章で言えば、「起」と「結」は主語と述語の関係になります。

「起」で書いた主題の回答になる箇所です。

「結」では最もアピールしたいことを書きます。

この箇所が曖昧であれば、最終的にどのようなことをアピールしたいかがはっきりしなくなるため、文章を書いたり、話をしたりするときは注意する必要があります。

「起承転結」の英語表現とは?

「起承転結」のそれぞれの文字の英語表現としては、次のようになります。

「起」は、導入を意味する「introduction」になります。

「承」は、発展を意味する「development」になります。

「転」は、転換を意味する「turn」になります。

「結」は、結論を意味する「conclusion」になります。

「起承転結」の英語表現としては、「four-part organization of Chinese poetry.」あるいは「introduction,development,turn and conclusion」になります。

また、「起承転結」は日本のオリジナルの言葉として認められているので、そのまま「Kishotenketsu」の英語表現になるときもあります。

「起承転結」の使い方のコツとは?

「起承転結」を使うときはコツがあります。

ここでは、「起承転結」の使い方の2つのコツについてご紹介します。

「起承転結」のそれぞれの文字の比率

「起承転結」の書き方のコツとして、最も「起承転結」を使用するケースが多い物語についてご紹介します。

「起承転結」のそれぞれの文字の比率は均等にしないようにしましょう。

文章のバランスを考慮すれば、文章のメインになる「承」と「転」の箇所は大きな比率にするのがおすすめです。

「起承転結」のそれぞれの文字の目安になる比率は、次のようになります。

  • 「起」の比率は約10%
  • 「承」の比率は約40%
  • 「転」の比率は約40%
  • 「結」の比率は約10%

このような比率を目安にして話を考えていけば、いいバランスになると言われています。

「起承転結」のそれぞれの文字の比率をきちんと守る必要はありませんが、ちょっとした「起承転結」の書き方のコツとして覚えておくといいでしょう。

書く順序

物語などの文章を書くときは、つい初めから「起」「承」「転」「結」の順序に書き始めるようになるでしょう。

しかし、文章が長くなるほど、アピールしたいことがはっきりしなくなったり、まとまりがなくなったりするときがあります。

そのため、話のメインになる「転」、「結」やアピールしたいことを先に検討しましょう。

この後に、「起」「承」を「転」「結」に向かうために検討していけば、すっきりとした展開や結末になってわかりやすくなります。

「起承転結」がビジネスの文書に必要ない理由とは?

「起承転結」は、必ずしもビジネスの文書においては必要なものではありません。

というのは、ビジネスの文章を書く目的について考えると自然にわかるでしょう。

小説などは、面白さの目的で読むものです。

読みごたえが最初から予測できない展開や結末が待っているほどあるため、「起承転結」がないと面白さがありません。

一方、ビジネスの文書は、効率良く仕事に必要な情報を伝えるものです。

そのため、ビジネスの文書は読んで結論がすぐにわかる必要があるため、「起承転結」は必要ありません。

例えば、「起承転結」を業務日誌に取り込んで長い文章になったとしましょう。

業務日誌としては、「転」になる予測していなかった展開は意味が全くありません。

基本的に、ビジネスの文書は、正しく端的に必要な情報のみを伝えましょう。

ビジネスの文書は、報告などの方が「起承転結」よりも大切です。

「起承転結」という文章の構成であれば、全体的な概要に関して冒頭で把握することができません。

ビジネスマンは非常に忙しいので、ビジネスの文書について概要がすぐにわかると時間がその分とられなくなります。

ビジネスの企画書にしても提案書にしても、ビジネスの文章は冒頭に主題を書いてアピールしたいことがすぐにわかるよう考えることが大切です。

ビジネスの文章は「起承転結」ではなく、情報がすぐにわかるように初めからアピールしたいことがすぐにわかるようにしましょう。

そのため、基本的にビジネスの文書には「起承転結」は必要ありません。

しかし、例えば、「起承転結」をプレゼンするための資料などに使うことは効果があるときもあります。

「起承転結」を使うことによって、商品やサービスなどの詳細、趣旨に関して説明がよくわかるようになるときもあります。




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RUN-WAY編集部

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