「言葉のあや」の意味とは? 由来や類義語などを解説




言葉のあやの意味とは?

言葉のあやという言葉を耳にしたこともあるのではないでしょうか。

例えば、一言余計なことをいって相手が怒った時に、今のは言葉の綾だよ、などと必死に弁解したようなこともあるでしょう。

しかし、このような言葉のあやの使い方は実際には間違っています。

ここでは、言葉のあやにの意味についてご紹介します。

言葉のあやというのは、言葉の巧みな表現のことです。

綾とは、綾織という布の一つの織り方で、よくツイードやデニムの生地などに使われるものです。

織り方は複雑なものであるため、巧みな技術が綾織には必要になります。

綾織から転じて、技巧を綾織のように凝らした表現を言葉のあやというようになりました。

言葉のあやの意味は、もともと巧みな表現ということで使われていましたが、とってつけたようにうかつな発言を弁解するためにいう言葉としていつしか定着しました。

もともとの言葉のあやは、ストレートにいいたいことを表現しないで、比喩的表現やたとえ話などの修辞法を使ったもののことをいいます。

そこで、言葉のあやは、真にたとえ話を受けたり、誤解されたりするような表現もいうようになってきました。

さらに、言葉のあやは誤解されないような余分な一言までいうようになって、現在の使われ方になったようです。

言葉のあやの由来とは?

言葉のあやという言葉は、古くは井原西鶴が1687年(貞享4年)に浮世草子の男色大鑑というものを書いた作品の中で、近代の稀者口も動さずして言葉のあやきれて、聞に情含いやといはれぬ笑ひ、という文章があり、この文章の中で言葉のあやというものが初めて使われたものではないかとされています。

言葉のあやの使い方とは?

ここでは、言葉のあやの使い方についてご紹介します。

いい訳として言葉のあやは使う時が多い

言葉のあやは巧みな表現を意味する言葉ですが、誤解された時のいい訳としても使われます。

自分の発言が、言葉のあやだよと伝えることによって本意ではないことを伝えることができます。

直接的でない表現をしたために、誤解を意図しないで与えたような時に使います。

不用意な発言として言葉のあやを使うのは間違い

言葉のあやは、不用意な発言として使うのは間違っています。

いい訳として誤解を無くすために使われる時はありますが、言葉のあやそのものの意味としては不用意な発言ということはありません。

今のは言葉のあやだよという時は、今の発言は不用意であったといっているのではなく、巧みな表現であるための誤解だよと弁解することを表現します。

言葉のあやをとるの表現は間違いである

言葉のあやをとるの表現は間違いであるため、使わないようにしましょう。

○○をとるという表現としては、揚げ足を取る、言質をとるなどがありますが、言葉のあやをとるというものはありません。

言葉のあやでいってしまった、これは言葉のあやだなどのように使いましょう。

言葉のあやを使った例文

ここでは、言葉のあやを使った例文についてご紹介します。

  • 「そのように言ったのは言葉のあやのみで、本気でなにも批判しているということではない。」
  • 「いい訳に聞こるかもしれないが、あれは言葉のあやだよ。」
  • 「言葉のあやなどでなく、彼とはもう二度と本気で会いたくない。」
  • 「足が棒になったというのは言葉のあやで、実際に足が棒になったということではない。」
  • 「言葉のあやのために、些細な喧嘩を彼女としてしまった。」
  • 「今の発言は言葉のあやであるので、あまり気にしないでください。」
  • 「言葉のあやであるため気にしないでといっても、傷ついたことは事実である。」

言葉のあやの類義語とは?

言葉のあやの類義語としては、比喩があります。

比喩の意味は、別の物事にある物事を例えることです。

文字通りでない表現という意味が、言葉のあやと比喩は似ているため、類義語になります。

比喩を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「彼の言いたいことは、おそらく何かの比喩だろうが、理解できなかった。」
  • 「比喩的に彼はいったのみであるため、それほど気にする必要はないよ。」

あや(綾)の意味とは?

あや(綾)というとどのようなことをイメージするでしょうか?

例えば、あや織り、あや取りなど、いろいろな言葉があります。

あるいは、紅葉があやなす秋の山々などという使い方もありますが、あやなすという美しい色や模様で飾ることを意味する言葉からもイメージできるように、あや(綾)はなんとなく華やかで優美なイメージがある一つの言葉です。

あやの意味は、一種のあやおりもの(綾織物)であるあやきぬ(綾絹)に由来するといわれています。

あやおりものというのは、あや折りという方法で作った織物です。

3本以上の縦糸、横糸で織られたものの中で、斜めの畝のように糸の交差が見える折り方になります。

畝というのは、作物を畑で作るために間隔を空けて、何本も直線状に細長く土を盛り上げたものです。

あやめとは、生地のこのような斜めの畝のことです。

そして、漢字の綾の糸の意味は布で、夌の意味は乗り越える、あるいは大きな丘ということがあります。

ここから転じて、綾は面同士が交差して盛り上がった状態を表現しています。

このような糸と夌を組み合わせて、綾は綾目がある模様を織った織物をいうようになりました。

あやきぬ(綾絹)とは?

では、あやきぬ(綾絹)とはどのようなものでしょうか?

綾絹というお菓子が、山形県の銘菓としてあります。

このお菓子は、白あんが優しく羽二重餅で包まれており、絹のような口触りで米沢織にちなんだものとして有名です。

しかし、あやきぬの由来はこのお菓子ではありません。

あやきむというのは、綾織という折り方で作った絹織物のことです。

綾織で折った布をじっくりと見てみれば、線が斜めに入っているのがわかるでしょう。

このことから斜文織ともいわれていますが、意外にも身近な代表例としてはジーンズのデニムがあります。

言葉のあやの英語表現とは?

「figure of speech」が、言葉のあやの英語表現になります。

英語表現の「figure of speech」の意味は、たとえ話、比喩的表現というようなことです。

「figure of speech」を使った例文としては、 次のようなものがあります。

  • 「It is just a figure of speech.」(それは単なる言葉のあやです。)

また、「figure of speech」は、次のような意味でも使えます。

  • 「Figure of speech referring to~」(~をいう例え)
  • 「called figure of speech」(巧みに表現した微妙な言いまわし)




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RUN-WAY編集部

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