矜持(きょうじ)の意味とは?
矜持は、堂々と誇りや自信を持って行動することという意味です。
きんじという読み方もありますが、この読み方は慣用読みになるため、本来の読み方ではありません。
そのため、ビジネスシーンで矜持を使うときの読み方は、きょうじになります。
また、矜持において、矜の意味は矛の柄になり、持の意味は持つになります。
矛の柄は、兵士や武士が誇りや、ライドのよりどころにしていました。
一方、持の右辺の寺の意味は、じっと維持するということがあります。
このような漢字を組み合わせることによって、堂々と誇りや自信を持って行動するという意味になりました。
矜持の使い方とは?
矜持は改まったシーンで、重みがある表現として立場・職業に基づいてプライドや誇りを伝えたいときに使われます。
例えば、結婚式などで、敬意を紹介したい人に表現したいときによく使われます。
同じような言葉としてはプライドや自尊心などがありますが、矜持はこれらの言葉よりも重みがあるものです。
矜持を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「先生としての矜持を彼は守った。」
- 「名誉やお金に屈しないで、弁護士としての矜持を彼は貫いた。」
矜持を使うときに注意することとは?
矜持の意味はプライドや自信になるため、矜持という言葉をこのプライドや自信に見合うスキルや実績がないまま使うと、滑稽に感じて虚しくなるでしょう。
矜持という言葉を使うときは、この言葉に見合うようなスキルや実績があるかについて吟味することが大切です。
矜持の言葉の重みを把握する
矜持の意味は、スキルや実績に見合うような誇りや自信があり、さらに自制心があるということです。
そのため、矜持という言葉を使うときは、適切でなければ嫌味に思われたり、良くない意味で使っていると思われたりするため注意しましょう。
また、矜持を自分に対して使うときは、注意がさらに必要になります。
マイナスのイメージを与えたり、うぬぼれていると思われたりすることもあるため注意しましょう。
矜持をどのようなときに使うか?
矜持は、一般的に書き言葉として使われます。
きょうじと話をするときにいっても、わからないことが多いため注意しましょう。
きょうじという言葉は、同音異義語の凶事や教示などがあるため、話をするときに使えば意味がわからないことがよくあります。
話し言葉のときは、自負やプライドというように言い換えればわかるようになります。
よく使われるシーンとは?
矜持という言葉の語源は矛をもった兵士であるため、争いや戦いが関係するシーンでよく使われます。
当然ですが、別のシーンでも使われるときがありますが、本来の意味とはあまりにも違うシーンでは言葉のみが浮くため注意しましょう。
矜持を文章として使うシーンでは?
矜持という言葉を書物や小説の中で使うときは、読み方がわからない人もいるため、ふりがなとしてきょうじを入れる方がいいときもあります。
また、載せるメディアによっては、矜持の意味を読む人がわからないときもあるため、プライドというような説明を矜持の横に入れるときもあります。
矜持の意味はインパクトがあり、強いものですが、意味がわからなかったり読めなかったりすると意味がないため、使うときは注意しましょう。
矜持を使うメリットとは?
矜持の意味は、プライドや自信ということであるため、その意味は矜持をわざわざ使わなくて伝えることができます。
しかし、矜持を使うと、言葉の大切さや重みをアピールすることができます。
特に、文章のときは、インパクトを読む人によって与えられるメリットがあります。
小説などで使うときは世界観が演出でき、報道などで使うときは信頼感などが出るため、好んで矜持は使われるようになっています。
矜持の類義語とは?
矜持の類義語としては、プライドや自信がありますが、これ以外にも自負心、貫禄、威厳、品位というものもあります。
自負心は自信や誇りを自分の才能などに持っている様子を表現し、貫禄や威厳は厳かで堂々としている風格や様子を表現します。
また、品位は、自ずと尊敬したいような品格です。
ちょっと消極的なニュアンスになる類義語としては、うぬぼれ、驕心、誇りなどもあります。
うぬぼれは実力よりも優れていると思っていることを表現し、驕心は慢心であることやおごりたかぶることを表現し、誇りは名誉に思うことを表現します。
現在は、正しい意味で矜持使うことが少ないため、矜持の意味が使う状況や文脈などでも違ってきます。
矜持の対義語とは?
卑屈、忸怩たる思いという言葉が、矜持の対義語としては挙げられます。
卑屈
卑屈の意味は、自分の評価を必要以上に見下したりいじけたりする様子です。
文脈としてはネガティブなことで使われるときが多くあり、自分の評価を下げる表現になります。
卑屈を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「卑屈な彼の行動を見ていれば悲しくなる。」
- 「行動するときは卑屈にならないで自信を持った方がいい。」
忸怩たる思い
忸怩たる思いの意味は、自分の言動について自分で深く恥じ入ること、恥ずかしく思うことです。
忸怩たる思いは、改まったシーンやビジネスシーンで深く恥じ入ることを表現します。
改まったシーンで謝るときに、謝る言葉と一緒に使うときが多くあります。
忸怩たる思いを使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「プロジェクトが失敗して忸怩たる思いです。」
- 「不始末を起こして忸怩たる思いです。」
矜恃と矜持の違いとは?
一見すると、矜恃と矜持は同じに感じるかもしれません。
しかし、よく見比べてみれば、矜恃は恃を使っており、矜持は持を使っています。
なお、読み方はいずれもきょうじになります。
矜恃の恃は、心と寺から成り立っています。
恃の意味としては、頼む、依頼するということがあります。
そのため、矜恃の意味としては、相手に頼むだけの誇りと自信、プライドが自分にはあるということになります。
矜恃と矜持の意味はよく似ていますが、違いが微妙にあり、ニュアンスとしては次のようになります。
矜恃は、誇りと自信、プライドが自分にあって堂々と行動している様子になります。
一方、矜持は、誇りと自信、プライドが自分にあって自制心がある様子になります。
矜持の英語表現とは?
矜持の英語表現としては、「pride」(自負心、自尊心)、「dignity」(尊厳、威厳、品位)、「self-esteem」(自尊心、自負心、自惚れ)が挙げられます。
矜持の英語表現の例文としては、次のようなものがあります。
「I have pride in my team.」(私のチームには自信を持っている。)