「重きを置く」の意味とは?
「重きを置く」の意味は、重くみること、重要と考えることです。
「重き」の意味は重要であること、「○○を置く」の意味は動かないようにある状態に置くことです。
項目がいくつかある中で、1つを重要であるとして優先するときに使います。
「重きを置く」の意味は重要と考えることですが、人によってどのようなことを重要と考えるのかは違います。
例えば、同じ飲み物が好きな人でも、量より質に重きを置く人がいたり、質より量に重きを置く人がいたりするでしょう。
どのようなものに重きを置くかは人によって違うため、使うときは自分の状況にあてはめましょう。
「重きを置く」の敬語とは?
ここでは、「重きを置く」の敬語についてご紹介します。
尊敬語は「重きを置かれる」「重きを置いていらっしゃる」
「重きを置く」の尊敬語は、「重きを置かれる」あるいは「重きを置いていらっしゃる」です。
「重きを置かれる」は、「置く」に「れる」という尊敬の助動詞をプラスしたものです。
「れる」の助動詞の意味は自発、可能、受身もありますが、目上の方の動作をアップするときに使う「れる」は尊敬語になります。
「〜している」の尊敬語が、「重きを置いていらっしゃる」の「いらっしゃる」です。
尊敬語は、相手の動作をアップすることによって敬意を相手に示すものです。
そのため、自分が重きを置くことをいうときには使うことができません。
相手が重きを置いていること、重きを置くことをいうときに使います。
謙譲語は「重きを置かせていただきます」
「重きを置かせていただきます」は、「重きを置く」に「させていただく」という「〜させてもらう」の謙譲語をプラスしています。
謙譲語は、へりくだって自分の動作を表現することによって敬意を相手に示すことができます。
しかし、もともと「させていただく」は、許可を相手からもらう必要があり、またそれを行ったときに恩恵がこちら側がある行いをさせてもらうときに使うものです。
許可をもらう必要があるというのは、許可をもらわないと使えないということではありません。
自分が相手の許可が必要なことを行うときに使うということです。
例えば、正しい使い方としては、「スケジュールを変更させていただきます」などがあります。
「重きを置かせていただきます」などのように、「させていただきます」をもともと許可をもらう必要のないことに使うとニュアンス的に不自然であり、慇懃無礼になります。
慇懃無礼というのは、態度や言葉が丁寧過ぎるためにかえって無礼になることです。
丁寧語は「重きを置きます」
「重きを置きます」は、「重きを置く」に「ます」という丁寧語をプラスしたものです。
丁寧語は、目上の方に使える全体の文章を丁寧にする敬語表現です。
何かに自分が重きを置くことを伝えるときは、「重きを置きます」がいいでしょう。
「重きを置く」の類義語とは?
「重きを置く」の類義語としては、「重点を置く」や「比重を置く」があります。
「重点を置く」の意味は重点的に大事なものとして扱うことで、「比重を置く」の意味は重要なものとして扱うことです。
「重きを置く」と「重点を置く」「比重を置く」は、重要と考えるということが同じであるため、類義語になります。
「重点を置く」「比重を置く」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「彼は、現状を保つことに重点を置いている。」
- 「私は、趣味よりも仕事に比重を置いている。」
「重きを置く」の対義語とは?
「重きを置く」の対義語としては、「軽視」があります。
「軽視」の意味は、物事を重要であると考えないで軽くみることです。
「重きを置く」の意味は重要であると考えることであるため、「軽視」が対義語になります。
「軽視」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「あの職場の人は、別の職場の人を軽視してきた。」
- 「人間の生命を軽視することは、絶対に許されないことである。」
「重きを置く」と表現が近い慣用句とは?
ここでは、「重きを置く」と表現が近い慣用句についてご紹介します。
「重きを置く」と表現が近い慣用句としては、「間を置く」「念頭に置く」があります。
頻繫にビジネスシーンや日常生活においても使われる言葉であるため、意味を確実に把握しておきましょう。
「間を置く」
「間を置く」の意味は、空間を開けることです。
「置く」という言葉は、ものを物理空間上に置くという意味で使われています。
また、空間のみでなく時間についても使えます。
例えば、「彼は間をおいて話し始めた」のときは、「話を一呼吸おいてから始めた」ということになります。
「念頭に置く」
「念頭に置く」の意味は、心にいつも留めておくことです。
「置く」という言葉の意味としては、ものを物理的に置くという以外に、意識を頭の中のある領域に繋げておくというものもあります。
抽象的な考え方ですが、感覚的に理解ができる意味合いになります。
意味合いとしては、「重きを置く」の「置く」と同じであることを把握しておきましょう。
「重きを置く」の英語表現とは?
ここでは、「重きを置く」の英語表現についてご紹介します。
「put emphasis on」
「put emphasis on」が、最も「重きを置く」に意味が近い英語表現です。
「emphasis」の意味は強調ということです。
「lay」「place」などを、「put」の代わりに使ってもいいでしょう。
「great emphasis」「much emphasis」などと強調することもできます。
「focus on」
「focus on」の意味は〜に集中するということですが、「重きを置く」という意味でこの表現を使っても不自然ではありません。
「concentrate on」は「focus on」の類義語です。
これらはほとんど意味の違いがなく、言い換えができます。
- 「value」
「value」の意味は、名詞が価値で、動詞が〜に価値を見出すということです。
価値を見出すは大切であると認識することであるため、「重きを置く」の英語表現として「value」を使うことができます。