阿る(おもねる)の意味と使い方とは?ビジネスシーンでの「阿る」の使い方などを解説




阿る(おもねる)の意味とは?

「阿る」の意味は、「相手が気に入るように機嫌を取る」ということがあります。

簡単にいえば、「相手の機嫌を取るように言動すること」で、消極的な意味に使われます。

なお、「」という漢字の意味としては、次のようなものがあります。

  • 河川や山で入り組んで曲がったところ
  • 自分の意見を曲げて他の人のいうことを聞く
  • 他の人を呼ぶときに冠して親しみを表現する言葉
  • 梵語の「a」という第一字母の音写
  • 阿波 (あわ) 国
  • アフリカ

なお、「阿る」では、この中の「自分の意見を曲げて他の人のいうことを聞く」という意味で使われています。

「自分の意見を曲げて他の人に気に入られようとする」ため、「阿る」の意味になったのでしょう。

「阿る」の使い方とは?

ここでは、「阿る」の使い方についてご紹介します。

「人」以外にも「阿る」は使える

「阿る」の意味の「気に入られようとする」のは「人」以外に使うときもあり、使い方としては「権力に阿る」や「時代に阿る」などもあります。

「阿る」を使った例文としては、次のようなものがあります。

「自分が信じた道を、時代に阿ることなく進むべきである。」

このときの意味は、「時代の流れを伺うのでなく、自分が信じた道を進むべきである」ということになります。

「~に阿らない」「~に阿るな」

「阿る」の使い方としては、「~に阿らない」「~に阿るな」などがあります。

「~に阿らない」の意味は「~に気に入られようとしない」、「~に阿るな」の意味は「~に気に入られようとするな」になります。

自分が相手に「気に入られようとしない」ときは、「~に阿らない」を使います。

また、「~を阿るな」は、「上長に阿るな」というように、気に入られようとすることを止めさせるときに使います。

「時流に阿る」「権力に阿る」を使った例文

「阿る」を使った表現としては、「時流に阿る」「権力に阿る」があります。

「時流に阿る」の意味は「時代の傾向や風潮に気に入られるように行動する」ことで、「権力に阿る」の意味は「権力に気に入ってもらえるように逆らわないで行動する」ことです。

「時流に阿る」「権力に阿る」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「権力に阿るのは見苦しい。」
  • 「強く自分の意思を持っていないと、時流に阿るようになる。」
  • 「どんなときでも彼は権力に阿るようにしてきた。」
  • 「簡単に時流に阿るような考え方では長く継続しないだろう。」

ビジネスシーンでの「阿る」の使い方とは?

「阿る」は、よくビジネスシーンでも使われるときがあります。

例えば、ビジネスシーンでの「阿る」の使い方としては次のようなものが挙げられます。

「彼は上長に阿るような態度のみいつもしているので、すっかり同僚からは嫌われている。」

同僚であれば同じ時期に会社に入っているため初めは同じスタートラインに立っていますが、出世がスムーズにできる人もいる一方、いつまでも出世ができないような人もいます。

そして、出世するために、上長に気に入られるようにする人もいるでしょう。

しかし、このような方法は正しいものでなく、卑怯なものであるというように見られるときが多くあります。

この例文のときは、出世するために上長に「阿る」ようにしていることについて同僚から嫌われているということになります。

実力をつける方が、阿るスキルをマスターするよりも大切であるという人もいるでしょう。

昇進や出世をするためには、大きく2つの方法があります。

一つの方法は実力をつけて昇進や出世に相応しい人物であると認めてもらうもので、もう一つの方法は上長に気に入られるものです。

このような方法の良し悪しなどについては、いろいろな考え方や意見があるでしょう。

この例文のときは、実力を認めてもらう方が「阿る」スキルよりも大切であると考える人もいることになります。

「阿る」の類義語とは?

ここでは、「阿る」の類義語についてご紹介します。

「諂う(へつらう)」

「諂う」の意味は、「気に入られるように行動する」ということです。

また、「媚びる」という「相手の機嫌を気に入られるためにとる」や、「取り入る」という「力がある人に気に入られようとする」も、「阿る」の類義語になります。

「諂う」を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「彼は権力者にいつも諂って、自分の立場を保護しようとする。」
  • 「上長に取り入って地位をここまで築いた。」
  • 「社長に同僚が媚びているのを見た。」

なお、「諂う」と「阿る」は、使い方が違っています。

「諂う」は「人」にだけ使いますが、「阿る」は「人」以外にも使います。

「権力」や「時代」について、「権力に諂う」や「時代に諂う」などと使わないようにしましょう。

「煽てる(おだてる)」

「煽てる」の意味は、「思ってもいないような褒め言葉によって相手を持ち上げる」「相手が気分良くなるように褒める」ということです。
「阿る」の意味としては「相手が気に入るようにおだてる」ということもあるため、「煽てる」は「阿る」の類義語になります。

「胡麻(ごま)する」

「胡麻する」の意味は、「お世辞を相手にいって気に入られようとする」あるいは「自分に対する対応を良くするために相手を持ち上げる」ということになります。

「阿る」の意味としては、「おべっかを相手に好かれるためにいう」あるいは「相手を持ち上げて気に入られる」ということがあるため、「胡麻する」は「阿る」の類義語になります。

「阿る」の対義語とは?

否定形の「阿らない」という言葉が「阿る」の対義語として使われますが、対義語として特別なものはないようです。

これ以外の対義語も、否定形の表現が多くあります。

「阿る」の対義語としては、次のようなものがあります。

  • 「へいこらしない」
  • 「迎合しない」
  • 「へこへこしない」
  • 「媚びない」
  • 「へつらわない」
  • 「尻尾を振らない」

「阿る」の英語表現とは?

「flatter」「curry favor with」が、「阿る」の英語表現としては挙げられます。

  • 「flatter」「curry favor with」を使った例文としては、次のようなものがあります。
  • 「He always flatters his boss.」(いつも彼は上長に阿っている。)
  • 「阿る」の英語表現としては、最も「flatter」がわかりやすいでしょう。
  • 「You flatter me.」(あなたはお世辞が上手い)というように使うときもあります。
  • 「She curried favor with them.」(彼らに彼女は阿った。)

この例文のとき彼女は、いろいろな人に立場上「阿る」必要がある女性になります。




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RUN-WAY編集部

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