「さながら」の意味とは?
ここでは、「さながら」の意味についてご紹介します。
「そっくり」「まるで」
「さがなら」の意味は、「そっくり」「まるで」ということです。
「さがなら」は、非常によく似ていることを表現する言葉です。
具体的には「〇〇顔負けの」「〇〇のようだ」というような意味合いになり、「さながら英語力はネイティブ並みですね。」「さながらプロ並みの作業だ。」などというように使います。
「ひたすら」「全く」
「さながら」の意味は、「ひたすら」「全く」ということです。
使い方としては、例えば、「彼女のメッセージはさながら意味がわからない。」「私はさながら考え続けた。」などがあります。
このときは、「とにかく」という意味合いで使われます。
「もとのまま」「そのもの」「そのまま」
「さながら」の意味は、「もとのまま」「そのもの」「そのまま」ということです。
例えば、「暴風雨さながらの強い雨」「本番さながらの演技」などの使い方があり、「〇〇と変わりない」「〇〇と同じの」というニュアンスで使われます。
「全部」「全て」
「さながら」の意味は、「全部」「全て」ということです。
意図は文章を強調するもので、意味合いは「残らず」「まさに」ということで使われます。
例文としては、「さながら廃墟と化した。」「ニューヨークはさながら人種のるつぼである。」などがあります。
「さながら」の由来
もともと、「さながら」は、連なった一つの言葉ではなく、「さ」の副詞に「ながら」の助詞がついてできた言葉です。
「さ」の副詞の意味は「そう」「そのよう」ということがあり、また「ながら」の意味は「〇〇のまま」「〇〇にも関わらず」ということがあります。
「さながら」の由来は、連なってこの二つの言葉が使われるようになったものです。
「さながら」の使い方とは?
「さながら」は、どちらかといえば文語であるため、ある程度固い言葉やかしこまった言い方をしたいときに使いましょう。
ビジネスシーンでは、スピーチなどのときに使うのがおすすめです。
ここでは、「さながら」の使い方についてご紹介します。
「さながら博士ですね」
「仕事の終わりにどうしても上手くできなかったときに、助言を課長からいただいて解決しました。課長はさながら博士ですね。」
この例文では、博士という名詞をさながらの後に続けています。
「さながら博士ですね」の意味は、「まるで博士のようだ」になります。
このように、「さながら」は比喩的な表現と一緒に使います。
「全くさながらの考え」
「部長の提案には、私は全くさながらの考えを持っている。」
この例文では、「さながら」を「そのまま」という意味で使っています。
考えが同じであるということです。
「さながら」は、意味が非常によく似ているということ以外で使うときには、非常に表現が固くなります。
「足軽さながら」
「今回のプランを成功させるために、足軽さながら彼が動き回ってくれたことが非常に貢献しています。」
「足軽さながら」は、「足軽のように」ということで、意味が「非常によく似ている」ということです。
使い方としては、名詞の後に「さながら」を続けるというものもあります。
話し言葉として「さながら」を使うときに丁寧で固すぎない話し方を適度にしたいのであれば、「さながら」を名詞に続けるような使い方がいいでしょう。
「さながら滝のような雨」
「全然わからなかったが、現在はさながら滝のような雨だ。」
この例文では、本当に滝のような激しい雨という意味で使われています。
この例文は、「足軽さながら」と意味が同じようなもので使われたときのものです。
「さながら」の類義語とは?
ここでは、「さながら」の類義語についてご紹介します。
「まるで」
「まるで」は、似ているものについて使うもので、「まるで○○のようだ」というときに使います。
例えば、「まるでりんごのように真っ赤だ。」などというように使います。
「ちょうど」
「ちょうど」は、ぴったり一致しているものをいうときに使います。
例えば、「ちょうど今日の天気のようだ。」などというように使います。
「ちょうど」は、それほど固い言葉を使いたくないときにおすすめでしょう。
「あたかも」
「さながら」は表現がかしこまったものになりやすいですが、類義語の「あたかも」も表現がかしこまったものになります。
例えば、「あたかもわかっているかのように話す。」などというように使います。
「さながら」と「さることながら」の違いとは?
ここでは、「さながら」と「さることながら」の違いについてご紹介します。
「さながら」と「さることながら」の意味の違い
「さながら」は非常によく似ていることですが、「さることながら」はある事柄は当然であるがそれ以外のことも提示すること、という違いがあります。
「さながら」と「さることながら」の使い方の違い
「さながら」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「牛丼屋の値引き競争は、さながらチキンレースだ。」
- 「少年たちは、木登りをさながら猿のように行っている。」
- 「さながら雨が滝のように降っている。」
- 「彼はさながらフランス語を自国語のように話す。」
「さることながら」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「このお店は、餃子もさることながらチャーハンも美味しいです。」
- 「この曲は、メロディーもさることながら歌詞がいいです。」
- 「彼は外観もさることながら声も美しいです。」
「さながら」と「さることながら」の使い分け方
「さながら」と「さることながら」は言い方が同じような言葉ですが、全く意味が違っているために間違えないようにしましょう。
「さながら」は、意味が非常によく似ていることであり、先の例文の「少年たちは、木登りをさながら猿のように行っている。」のように、何かがよく別のものと似ているときに使うようになります。
一方、「さることながら」は、意味がある事柄は当然であるがこの他のことを提示することであり、先の例文の「彼は外観もさることながら声も美しいです。」のように、「○○はいうまでもないがこれのみでなく△△も」というときに使うようになります。