「社是」の意味とは?「社訓」と「社是」の違いなどを解説




「社是」の意味とは?

普通の人は、「社是」という言葉はあまり耳にしたことがないのではないでしょうか。

「社是」は、企業の経営上の主張や方針という意味です。

「社是」の「是」の意味は、正しいということです。

言葉の意味から「社是」を考えれば、「企業が正しいとする方針」ということになります。

なお、銀行のときは、「社是」の代わりに「行是(こうぜ)」を使うようです。

しかし、「行是」は銀行の独特の表現であるため、それほど一般的には使われていません。

「社訓」と「社是」の違いとは?

「社訓」というのは、従業員が守る必要がある企業の心構え・理念を表したものです。

「社訓」は経営者の教訓を表したもので、従業員がこの企業で仕事をする上で注意すべきことを表しています。

「社訓」と「社是」は、主語が企業と従業員のいずれにあるかが違っています。

「社訓」は従業員に対する教訓であるため、社内的なものです。

企業で仕事をする従業員の一人として守る必要がある規範を決めたものが「社訓」です。

一方、「社是」は企業を経営するための指針になるもので、従業員のみでなく社外的に表すものでもあります。

「社是」に基づいて従業員は行動する必要がありますが、企業にとっての原理原則が「社是」になります。

「経営理念」と「社是」の違いとは?

では、「経営理念」と「社是」はどのような違いがあるのでしょうか?

「経営理念」というのは、企業が活動するときの基本的な価値観や考え方のことです。

経営をどのような目的で行っているか、何のために行っているかというようなことを表しています。

定義の違いとしては、「考え方」が「経営理念」、「方針」が「社是」ということになります。

「経営理念」は経営を何のために行うか、企業が存在する意義を表したものです。

「経営理念」が「社会生活の改善」であれば、これが企業を経営する意義になります。

「方針」は向かう方向を表すものであるため、つまり羅針儀のようなものです。

「社是」が「社会貢献」であれば、企業にとっては社会に役に立つようなビジネスを行うことが正しい方向、企業にとって正しい姿になります。

厳密に「経営理念」と「社是」を区分けすれば違いがこのようにありますが、「経営理念」と「社是」は混同されるときも多くあるようです。

広い意味においては大きな違いがそれほどあるということではないため、「社是」は「経営理念」であるというように考えても問題ないでしょう。

「社是」を作る方法とは?

ここでは、「社是」を作る方法についてご紹介します。

「社是」は、どのような考え方で企業が経営するかを表す方針です。

「社是」は、1社に一つで、フレーズあるいは数文字でまとめます。

いくつも「社是」は作れますが、経営方針を表すいくつもの「社是」があると企業のメインになる方向性がぶれます。

そのため、企業に「社是」は一つという意見がほとんどです。

「社是」は、経営方針の中で特に大切と考えられるようなものを選んで、これを表すフレーズや言葉で作ります。

そのため、「社是」を作るときは、経営方針が必要になります。

「社是」は、長文でなく、数文字や端的な言葉を集めた一文やフレーズにまとめます。

企業によっては、短い二文字以内の漢字のみというような「社是」もあり、短い文や語句として「社是」はまとめて、企業にとって最も大切な方針にします。

「社是」を唱和するメリットとデメリットとは?

企業によっては「社是」を唱和するようなところもあるのではないでしょうか。

では、「社是」を唱和するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、「社是」を唱和するメリットとデメリットについてご紹介します。

「社是」を唱和するメリット

「社是」に書かれていることが全ての仕事の判断に直結して、これに準じて上長も決裁しているほど重要であれば、 「社是」を唱和することも必要でしょう。

例えば、「顧客の健康」が「社是」にあったとしましょう。

上長からは、新しい商品の企画で、含まれる成分も企画することと指示されたとします。

「顧客の健康」が「社是」にあったときは、甘味料としては人工のものは入れないで天然のものがいいというような考えになるでしょう。

このときはコストがアップしますが、第一に「顧客の健康」を考えているので、評価としては正しい判断とされます。

なお、このようなときは、「企業第一主義」の案も比較として考えておきましょう。

「顧客の健康」というようなケースはあまりにも簡単なものですが、企業オリジナルのもので少しややこしいときは、しっかりとそれを掴むために「社是」を唱和するのは正しいかもしれません。

「社是」を唱和するデメリット

まず、何のために「社是」を唱和するかということが明確になっていないときは、ブラック企業のような感じがします。

例えば、モチベーションアップとか、組織を活発にするためとかなどのように、理由が適当なものであればなおさらです。

職場の雰囲気を統一することによってマイナスにもプラスの方向にも進むのは、いろいろな実験において確かめられています。

そのため、職場の雰囲気を統一してその日の仕事を活発にさせるというときは、ある程度納得できるかもしれません。

しかし、見方を変えると、洗脳、刷り込みということにもなるため、あまりいいイメージはありません。

また、「社是」を唱和する企業では、目標などをその場で発表させられたり、上長から多く叱責されたりするようなイメージがあります。

このようなことから、「社是」を唱和している企業は注意する方がいいかもしれません。

「社是」を唱和するのはブラック企業か?

「社是」を唱和するような企業は、ブラックの可能性が大きいでしょう。

基本的に、義務的に朝礼を毎朝行うのも意味がないかもしれません。

入社する前に「社是」を唱和するかどうかを聞くのは困難でしょうが、例えば、毎日のタイムスケジュールを聞いてみるのもいいでしょう。

朝礼が毎朝あるような企業は、場合によっては、「社是」を唱和することがあるかもしれません。

「社是」を毎日唱和するような企業であれば、転職はおすすめではありません。

このようなことをしている企業は、いろいろ理不尽なことがあるでしょう。

しかし、「社是」を唱和する程度で、企業を選ぶかどうかを決めるのもばかげているでしょう。

「社是」を唱和していても、立派な企業は多くあり、その企業に入るとこれが普通になります。

その企業は、この普通が積み重なって大きくなったかもしれません。

また、「社是」を唱和することは一般的に嫌がられていますが、これ以外の待遇がいいようなときは、「社是」を唱和することもそれほど気にならないかもしれません。




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RUN-WAY編集部

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