「恣意的(しいてき)」の意味と使い方とは?意図的と恣意的の違いなどを解説




恣意的(しいてき)の意味とは?

恣意的の意味は、自分勝手で気ままな様子、必然性が論理的な観点でないこと、思いつきな判断であることです。

恣意的の恣の意味はやりたいように行動する、勝手に自分が考えるように行動するということで、恣意的の意の意味は気持ち、思いということです。

この2つの意味が一緒になって、考えるままの行動、自由な気持ちになりました。

恣意的の使い方とは?

ここでは、恣意的の使い方についてご紹介します。

恣意的な

恣意的なを名詞の前に付けて使います。

しかし、使うのは思いつきの行動、好き勝手の行動ということではありません。

論理的に行動する必要があるという社会や別の人との関係性が、この行動に含まれるときに使います。

もともとは、きちんと社会や別の人のことを考慮して判断する必要があるところを思いつきで行動する様子を表わします。

恣意的なを使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「引用の恣意的なものは批判されるべきである。」
  • 「企画についての恣意的な上長の評価は嫌になる。」

恣意的に

恣意的にを動詞の前に付けて使います。

行動は気ままなものであることを表す言葉です。

恣意的にを使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「研究論文を発表するときに、データを恣意的に削除しました。」
  • 「文献を恣意的に引用して勘違いを生じさせました。」

意図的と恣意的の違いとは?

よく意図的と恣意的は勘違いされますが、意味が違います。

意図的の意味はある目的のためにわざと行動する様子ですが、恣意的の意味は思いつくまま行動する様子です。

意図的にはわざとという意味合いが含まれていますが、恣意的にはわざとという意味合いは含まれていません。

意図的と恣意的を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「トラブルが発生したのは意図的な行動のためでしょう。」

この例文の意味は、故意に行動したためトラブルが発生したということです。

  • 「トラブルが発生したのは恣意的な行動のためでしょう。」

この例文の意味は、思いつくまま行動したためトラブルが発生したということです。

偶然的と恣意的の違いとは?

よく意図的と恣意的は勘違いされますが、意味が違います。

偶然的の意味は意識しないうちに発生する様子ですが、恣意的の意味は思いついたまま行動する様子です。

偶然的にはたまたま発生したという意味合いが含まれていますが、恣意的にはたまたま発生したという意味合いは含まれていません。

偶然的と恣意的を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「偶然的に運用しているルールは心配です。」

この例文の意味は、意識しないうちに運用しているルールは心配ということですが、文章としては成立しません。

  • 「恣意的に運用しているルールでは心配です。」

この例文の意味は、思いついたまま運用しているルールは心配ということです。

作為的と恣意的の違いとは?

作為的というのは何かを故意にすることですが、意味としては自然ではない様子も含まれています。

そのため、作為的が使われるのは悪いことを何かするときでしょう。

恣意的は良くない結果が出たときに多く使われますが、何かを良くない結果のためにするという意味は含まれていません。

たまたま良くない結果になったのみで、恣意的という行動で良くない結果になったとは必ずしも限りません。

例えば、企業が作為的な犯行の通告によって混乱したというときは、企業が混乱した要因は効果的で計画性がある犯行の通告になります。

一方、企業が恣意的な犯行の通告によって混乱したというときは、犯行の通告自体よりも気ままな犯行の通告の内容などで企業が単に混乱したということになるでしょう。

恣意的の類義語とは?

ここでは、恣意的の類義語についてご紹介します。

気の向くまま

気の向くままの意味は、進行する方針や方向をそのときの気分で変えることです。

気の向くままの意味合いは、恣意的のそのときの気分でということと同じようなものです。

しかし、恣意的の意味合いには、気の向くままにというように進行する方針や方向を頻繫に変えるというようなものは含まれていません。

自分のことをいうときに気の向くままを使えば、イメージとして頼りがないということを与えるときがあります。

気の向くままを使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「休みのときは気の向くままの時間を過ごしています。」
  • 「気の向くままの旅というのもいいでしょう。」

自由気まま

自由気ままの意味は、自分が思う通りに、気の向くままにということです。

自由気ままと恣意的は、意味が同じようなものです。

自由きままを使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「定年になったので、会社を辞めて自由気ままな暮らしをしています。」
  • 「自由気ままな行いは、他の人に迷惑をかけるときがあります。」

恣意的の対義語とは?

ここでは、恣意的の対義語についてご紹介します。

規則的

規則的の意味は、一定のルールに従っている様子です。

恣意的の意味は思いつきですが、規則的の意味は一定のルールに従っているという逆のものがあります。

意味合いとしては、整とした、規則正しいというものが含まれています。

規則的を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「健康を維持するために、規則的に運動をしています。」
  • 「ユーザーの行動は規則的に変わることがわかりました。」

一貫

一貫の意味は、最後まで態度、方針を貫き通すことです。

最後まで貫き通すという一貫の意味が、思いつくままという恣意的の意味と逆になっています。

考え方がゆらがない様子を表しています。

一貫を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「一貫して彼は無罪であることをいい続けました。」
  • 「一貫した主張がプレゼンでは要求されます。」

機械的

機械的の意味は、意思を持たないで決まった動きをする様子です。

機械的の意味合いは、本当に機械のようなというものが含まれています。

意思を持たないということが、思いつきのままという恣意的の意味と逆になります。

機械的を使った例文としては、次のようなものがあります。

  • 「作業は機械的に行っても問題ありません。」
  • 「仕事ぶりが機械的では評価は良くなりません。」

恣意的の英語表現とは?

「arbitrarily」(恣意的に)、「arbitrary」(恣意的な)が、恣意的の英語表現としては挙げられるでしょう。

恣意的の英語表現の例文としては、次のようなものがあります。

  • 「His arbitrary criticism has caused a scandal.」(恣意的な彼の批評は世の中から反感された。)
  • 「You must not judge that arbitrarily on your own.」(あなたは恣意的に判定しないでください。)




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RUN-WAY編集部

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