「真骨頂」の意味とは?
「真骨頂」は、本当の姿、本来そのものが持っている姿、真面目という意味です。
「真骨頂」の「真」の意味は、偽りがないこと、誠ということで、「骨頂」の意味は、最高のレベル、この上もないこと、意地を張るということです。
また、「骨頂」という言葉が含まれているものとしては、「野暮の骨頂」や「愚の骨頂」などがあります。
「野暮の骨頂」の意味は、この上なく無粋であることです。
「愚の骨頂」の意味は、最も馬鹿げていること、この上なく愚かであることです。
現在では、「骨頂」という言葉は、あまり好ましくないニュアンスで使われるときが多くあります。
「真骨頂」の語源とは?
「真骨頂」の「真」の意味は強め、「骨頂」は、「骨張る」の音読です。
この「骨張る」の意味は意地を張るということで、ここから「骨張」は大もとの意味の「張本」に転じて、「張本」から「本当の姿」に転じたようです。
鎌倉時代の初期の『玉葉』の日記に「骨頂」は見られ、昭和17年の坂口安吾の『日本文化私観』において「真骨頂」は使われています。
なお、辞典には、「骨頂」として次のように記載されています。
「骨頂」は「骨張」の音読に由来するという説があります。
「骨頂」の意味は、次のようなものです。
- 強く主張すること、意地を張ること
- 事件を企てた張本人、中心人物
- 最上、この上ないこと、第一
「真骨頂」の使い方とは?
ここでは、「真骨頂」の使い方についてご紹介します。
本来の姿を表現する状況で「真骨頂」は使う
「真骨頂」は、本来の姿を表現する状況で使います。
もともと持っていた価値や才能が、存分に何かのきっかけで発揮される様子を表現します。
本来の姿を「真骨頂」は意味しますが、意味としては「真の値打ち」ということもあるため、良くない意味では使いません。
「真骨頂を発揮する」
よくある「真骨頂」の一つの使い方としては、「真骨頂を発揮する」があります。
「真骨頂を発揮する」の意味は、真の価値を現すこと、本来の姿を現すことです。
「真骨頂を発揮する」は、そのものが持っている価値を見せつけたり、大いにその人の実力を見せつけたりする状況で使います。
「真骨頂を発揮する」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「隊長としての真骨頂を発揮して、部隊を見事に勝利に導いた。」
- 「世の中に排出した多くの作品の中でも、彼女の真骨頂が特に発揮されたものである。」
「真骨頂を見る」
「真骨頂」の一つの使い方としては、「真骨頂を見る」もあります。
「真骨頂を見る」は、真の価値を見ること、本来の姿を見るという意味で、真の相手の姿を見る状況で使われます。
「真骨頂」の使い方としては、「真骨頂を発揮する」や「真骨頂を見る」の他にも、「真骨頂である」「真骨頂を示す」もあるため使ってみましょう。
「真骨頂を見る」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「ユーザーを満足させるためのいろいろな工夫があり、会社の真骨頂を見る思いであった。」
- 「彼の真骨頂を見ることは、現在の環境ではできないだろう。」
「真骨頂」を使った例文
ここでは、「真骨頂」を使った例文についてご紹介します。
- 「期待していた選手は、フィギュアスケートの大会で、真骨頂の演技で3回も4回転ジャンプを成功させて優勝した。」
- 「あなたの真骨頂を茶道家として発揮して、来日した親日派の教授を歓迎する茶会を開いて欲しい。」
- 「有名な小説家の今度の推理小説は、犯人の予測ができないとされる作風の真骨頂ともいえるものである。最後のページで読んでいる人は呆然とするでしょう。」
- 「このレストランの真骨頂といえる新しいメニューが好評で、予約が取れなくなった。」
- 「観客席は、その映画のラストシーンで感動の嵐になった。映画の真骨頂を見せた瞬間であった。」
「真骨頂」の類義語とは?
ここでは、「真骨頂」の類義語についてご紹介します。
「真価」
「真骨頂」の類義語としては、「真価」があります。
「真価」の意味は、ものや人が持っている本当の値打ちということです。
「真価」と「真骨頂」は、ものや人が本来持っている価値という意味が同じであるため、類義語として言い換えることができます。
「真価」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「現在では有名な絵画になっているが、その真価がわかるまでには長い年月がかかった。」
- 「対人戦になって、彼はその真価を初めて発揮した。」
「真髄」
「真骨頂」の類義語としては、「真髄」があります。
しかし、「真骨頂」と「真髄」の意味は違いが若干あります。
「真髄」の意味は、そのものの本質ということです。
「真骨頂」の意味は本来の姿ということですが、「真髄」の意味はそのものの最も大切な部分ということが違っています。
また、人に対して「真骨頂」は多く使われますが、学問や精神・芸術に対して「真髄」は多く使われます。
つまり、「真骨頂」の意味は真の値打ち、本来の姿で、使い方の例としては、彼の真骨頂は開放感のあるダンスである、などがあります。
一方、「真髄」の意味は最もそのものの大切な部分で、使い方の例としては、哲学の真髄、などがあります。
「実力」
「真骨頂」の類義語としては、「実力」があります。
「実力」の意味は、その人、そのものが実際に持っている力量のことです。
「実力」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「経験がまだまだ不足しており、非常に実力不足を感じている。」
「実力不足」の意味は、その人が持っている力量が少ない、足りていないということです。
- 「話し合いをしても無駄であるため、実力行使する必要がある。」
「実力行使」の意味は、ある物事を行うときに話し合いをしても通じなければ、武力などを使うことです。
「本領」
「真骨頂」の類義語としては、「本領」があります。
「本領」の意味は、他の人がまねできないようなその人の才能や性質、本来の特質、もともと持っていた領地です。
「本領」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「私は、化学が得意でなく物理が得意であるため本領発揮できなかった。」
- 「彼は協調性とリーダーシップに優れているため、グループの中でこそ本領発揮する。」
「真骨頂」の英語表現とは?
「Real ability」が、「真骨頂」の英語表現です。
「Real ability」の意味は、実力、本領ということです。
才能や能力という意味の「Ability」に、真のという意味の「Real」をプラスことによって、「真骨頂」になります。
「Real ability」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Show his real ability.」(彼の真骨頂を発揮する。)