雌雄を決する(しゆうをけっする)の意味とは?
雌雄を決する(しゆうをけっする)は、ライバルがお互いに戦って優劣を決めるという意味です。
優劣を決するの使い方としては、例えば、甲賀と伊賀の雌雄を決する時が来る、などがあります。
雌雄を決するの由来とは?
雌雄を決するは、中国の史記の「願わくは漢王との戦いを挑み、雌雄を決せん」に由来しているようです。
雌雄は動物の雄と雌で、考え方としては雄の方が強いということがあり、はっきりと雄と雌、強い方と弱い方を決めるという意味のようです。
雌雄を決するの使い方とは?
ここでは、雌雄を決するの使い方についてご紹介します。
普通の話し合いに使うのは少し大げさである
雌雄を決するの意味は、戦うことによって勝敗をつけたり、物事の決着を付けたりすることです。
そのため、普通の社内ミーティングや話し合いの時に使うのは、少し大げさな表現になってしまう時があります。
ここでは、言葉が与えるニュアンスを次のような例文で比較してみましょう。
- 「週末の打ち合わせで雌雄を決するようになった。」
この例文は、激しい論争が考えられる、というようなニュアンスがあります。
- 「週末の打ち合わせで話し合いをするようになった。」
この例文は、普通の話し合いをする、というようなニュアンスがあります。
しかし、この打ち合わせが本社や組合などに対して、激しい論争が考えられるようなものであれば、正しい使い方になります。
雌雄を決するは、激しい言い争いや物事の困難な取り決めなどが考えられる時に、確固たる気持ちで臨むような時に使うようにしましょう。
雌雄を決するは差別語とは違う
人間界において雌雄は男性と女性のことですが、雌雄を決するという言葉においては、権力や力の優劣について、いずれが勝っているというはっきりした定義はありません。
普通に考えると、力は男性の方が強かったり、忍耐は女性の方が強かったりするなど、生まれつきの優劣は男性と女性によって違っているでしょう。
雌雄が男性と女性の例えであるとしても、女性を直接的に非難するような差別語として考えるのは適切ではないでしょう。
雌雄を決するを使った例文
ここでは、雌雄を決するを使った例文についてご紹介します。
- 「本大会の決勝戦であるため、雌雄を決する試合になるだろう。」
- 「雌雄を決するということでも、相手がいなければどうしようもない。」
- 「新入社員との成績競争では、真剣に雌雄を決するつもりである。」
- 「与野党の議員が、国会で雌雄を決するシーンが見られる。」
- 「付き合っている人の父親に良く見られていないが、雌雄を決して婚約を許可してもらうつもりである。」
- 「雌雄を決する勢いで、今日こそ契約を取引先でもらうぞ。」
雌雄を決するの類義語とは?
ここでは、雌雄を決するの類義語についてご紹介します。
決着をつける
決着をつけるの意味は、勝負などではっきりと勝ち負けをさせるということで、雌雄を決するの類義語になります。
ケリをつける
ケリをつけるの意味は決着をつけることであり、話し合いや勝負事などにおいて、答えをはっきりと出すことをいいます。
簡単には決めかねることについて、結末をつけるために結論を出す時に使います。
雌雄を決するとはほとんど類義語になりますが、ケリというのは短歌や和歌で使われる助動詞が語源になるため、語勢が少し違うかもしれません。
白黒をつける
白黒をつけるの意味は、はっきりと物事の良し悪しをさせることであるため、雌雄を決するの類義語になります。
碁石の石が、白黒をつけるの語源になります。
白黒をつけるは、碁石の勝負を白と黒の石を使ってすることから生まれたものですが、類義語としてはっきりと勝敗をさせるという意味は少し薄れるようになります。
雌雄を決するの対義語とは?
ここでは、雌雄を決するの対義語についてご紹介します。
共倒れ
共倒れの意味は、お互いに助け合ったり、争い合ったりした結果、いずれも立ち行かなくて倒れるということです。
意味として助け合うということが含まれれるため雌雄を決するの対義語になり、争い合ったりする時は敗者にお互いになってしまうことが雌雄を決するの対義語になります。
痛み分け
痛み分けの意味は、相撲の勝負における一つの判定結果で、片方が病気や怪我のために引き分けになることです。
ここから転じて、勝負事や争いにおいて、お互いに痛手を被ったり、大きな損害を受けたりした状態で引き分けることという意味もあります。
決着がつかないということで、雌雄を決するの対義語になります。
雌雄を決するは差別語か?
ネットで雌雄を決するを検索すると、フェミ、差別などの言葉が関連ワードとして出てきます。
フェミというのは、フェミニストのことで、男女平等を主張したり、女性の権利を拡張したりする人のことです。
では、どうして多くの人がこのようなワードで検索するのでしょうか?
というのは、女性は敗者、男性は勝者と決めつける意見があるためでしょう。
雌雄を決するという言葉は、もともと中国の大昔の話が語源になっています。
その当時は、男尊女卑ということで、女性がか弱い生物という考え方がメインでした。
しかし、現在は、男女平等が当然のようになっています。
そのため、現在の感覚とその当時の感覚にギャップが生じているのでしょう。
雌雄を決するという言葉が差別語であるというのは、意味がないでしょう。
基本的に、男性と女性は、科学的に脳の構造や肉体が全く違った生き物であることが証明されています。
男性に女性が力で負けているのは、確かに事実です。
しかし、温かさ、包容力などでは、女性の方がいい面が多くあります。
もしどうしても雌雄を決するという言葉が差別語で気になるのであれば、雌雄を決するの類義語がいろいろあるためシーンによって使い分けるのもいいのではないでしょうか。
雌雄を決するの英語表現とは?
ここでは、雌雄を決するの英語表現についてご紹介します。
「showdown」が、雌雄を決するの英語表現になります。
「showdown」の意味は対決ということで、特に、意味合いとしては土壇場の勝負での対決や決着のシーンということが含まれます。
「showdown」を使った例文としては、「have a showdown」(対決して決着をつける)があります。
また、「decisive」が、雌雄を決するの英語表現になります。
「decisive」の意味は決着で、一緒に「fight」という英単語と使うことによって、戦って決着するというニュアンスになります。
「decisive」を使った例文としては、例えば、「to fight a decisive battle」のようなものがあります。