「唆す(そそのかす)」の意味とは? 使い方や類義語などを解説




「唆す(そそのかす)」の意味とは?

「唆す」の意味は、おだててその気になるように仕向けることです。

しかし、いい意味で使われるときはなく、その気になるようにおだてたり、いい気持ちにさせたりして良くない方に誘うときに使われます。

さらに、意味としては、早くするように急き立てる、煽り立てるなどもあります。

また、読み方としては「そそのわかす」や「そそなかす」もありますが、いずれも「そそのかす」と意味は同じです。

「唆す」の由来

「唆す」の「唆」は、単独では「さ」と読む常用漢字です。

「唆」の成り立ちは、くちへんという口の象形文字に、頭の鋭い人、頭の秀でた人を表現する象形文字を右側上部は表現しており、下向きの足を右側下部は表現しています。

頭の優れたすらりとした人を右側部分で表現し、くちへんと組み合わせて、口を使って優秀な人がそそのかすになります。

主として女性を惑わせる言葉として、源氏物語や浮世草子にも登場しています。

「唆す(そそのかす)」の使い方とは?

ここでは、「唆す(そそのかす)」の使い方についてご紹介します。

良くない方へ仕向けるときに「唆す」は使う

「唆す」は、普段相手が思ってもいないようなことを行うように仕向けたり、催促して早く行うようにしたりするときに使われます。

「唆す」ための方法はいろいろですが、主として相手を褒めて得意にならせて、良くない方向に誘います。

「唆す」を使った例文

ここでは、「唆す」を使った例文についてご紹介します。

  • 「金になる物を持ち出させようとして、裕福でない彼を唆した。」
  • 「デーモンのささやきに唆されて、良くないことに手を染めてしまった。」
  • 「唆されて殺したといっていたが、初めからどうやら殺すつもりでいたようだ。」

「唆す(そそのかす)」の類義語とは?

ここでは、「唆す(そそのかす)」の類義語についてご紹介します。

「おだてる」

「唆す」の類義語としては、「おだてる」があります。

「おだてる」の意味は、「相手を褒めて、得意な気持ちにさせること」です。

単純に相手を褒めるのではなく、自分が考える行いをさせるために褒めるときに使います。

また、「仕向ける」の意味は、「その行いを相手がするように働きかけること」です。

「おだてる」と「唆す」は、「その行いを相手がするように働きかける」という意味が同じであるため、類義語になります。

しかし、良くない意味でだけ「唆す」は使いますが、いい意味でも良くない意味でも「おだてる」は使うという違いがあります。

「おだてる」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「うまい具合に彼をおだてて、その気にさせた。」

「仕向ける」

「仕向ける」の意味は、「その行いを相手がするように働きかけること」です。

「仕向ける」と「唆す」は「その行いを相手がするように働きかける」という意味が同じであるため、類義語になります。

しかし、「唆す」はよく意味だけで使いますが、「仕向ける」はいい意味でも良くない意味でも使うという違いがあります。

「仕向ける」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「話を相手からしかけてくるように仕向ける。」

「働きかける」

「働きかける」の意味は、「自分が希望する行動を相手に起こさせるように積極的に活動する」ということです。

イメージとしては、「誘導する」や「勧誘する」をちょっとアクティブにした感じです。

「唆す」とは違って、ポジティブなニュアンスで「上層部に問題解決を働きかける」のように使うことができます。

「働きかけ」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「現代ではSNS が発達しているため、個人でもいろいろな物事を世の中全体に働きかけることができる。」

「誘惑する」

「誘惑する」意味は、相手の良識や理性に訴えるのでなく、悪い道に迷わせて引き込むということです。

「唆す」と同じようなニュアンスですが、「唆す」のニュアンスはその気になるように相手に積極的に行動させるということが強くありますが、「誘惑する」のニュアンスは自分の価値観に誘うということが強くあります。

また、性的な魅力で惑わすというニュアンスで使われるときが多くあります。

「誘惑する」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「自分の部屋には誘惑するテレビや漫画などが多いため、図書館で試験勉強をする。」

「水を向ける」

「水を向ける」の意味は、ある方向へ相手の関心を向けるように誘い込んだり、様子を探るために暗示を与えたりすることです。

「水を向ける」の由来は、巫女が霊的儀式のときに霊的な存在に水を差し向けたことです。

「唆す」くらい積極的ではなく、反応を見るために刺激を試しに与えるというような使い方もあります。

しかし、「水を向ける」の裏には、同調を相手に促す意図が少なからずあることがほとんどです。

「水を向ける」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「彼の性格は引っ込み思案で、先輩に水を向けられるまで話を全くしなかった。」

「唆す(そそのかす)」の対義語とは?

「唆す」の対義語としては、「いさめる」があります。

「いさめる」の意味は、「良くないところや間違っているところを改めるように指摘すること」です。

目上の相手に主として使われ、「諫める」と漢字では表します。

「唆す」は悪いことをおだててするように促すときに使いますが、「いさめる」は良くないところを改善させるときに使うため対義語になります。

「いさめる」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「自分は実の親をいさめることができなかったため、自分にも非があると考えている。」
  • 「部下にいさめられて、自分の間違いがようやくわかった。」

「唆」を使った熟語とは?

ここでは、「唆」を使った熟語についてご紹介します。

「教唆する」

「唆」を使った熟語としては、「教唆する」があります。

「教唆」の意味は、「おだてて事を起こすようにそそのかすこと」です。

また、「罪を犯すように相手をそそのかして仕向けること」という意味でも法律用語では使われます。

「示唆する」

「唆」を使った熟語としては、「示唆する」もあります。

「示唆」の意味は、「それとなく教えること」です。

直接的な表現でなく、ほのかに態度や言葉で示すときに使います。

「教唆する」は良くない意味で使いますが、「示唆する」はビジネスシーンでも使い、良くない意味はありません。

「示唆する」を使った例文としては、次のようなものなどがあります。

  • 「課長による嫌がらせがあったと、暗に示唆するものであった。」




この記事に関するキーワード

RUN-WAY編集部

RUN-WAYは、「自分らしくHappyに働きたい」と願う、全ての女性をサポートするためのメディアです。
  働く女性の困ったを解決し、理想のキャリアに一歩近づくための情報をお届けします。