ステレオタイプという言葉を聞いて、あなたは正確な意味を思い出せるでしょうか。今回は、「ステレオタイプ」の意味と使い方について具体例を交えて解説していきます。「ステレオタイプ」についてしっかりマスターし、日常生活でも使えるようになっておきましょう。
「ステレオタイプ」とは何か?
「ステレオタイプ」の使い方を学ぶ前に、まずは「ステレオタイプ」の意味を知るところから始めましょう。正しい意味を知ることで、使い方もマスターしやすくなりますよ。
ステレオタイプの語源は英語「stereotype」
カタカナ語として定着している「ステレオタイプ」ですが、この語源は英語の「stereotype」です。実は最初は全く違った意味の言葉として使われていました。
「stereotype」の由来は、印刷術で使用されていた「ステロ版」です。ステロ版とは、型抜きして作られる一定の形の印刷物のことで、それがもととなって型抜きして作られたかのように同じ、という考えの英語の「stereotype」へ変化していったのです。
ステレオタイプの意味は「固定観念・イメージ」
ステレオタイプの意味は、「ある集団内で共通に受入れられている単純化された固定的な概念やイメージを表わすもの」とあります(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)。
現在はビジネスシーンでも使われますし、日常会話でも聞かれる言葉ですが、本来は社会学や政治学の用語として使われていました。今では「決まり切った考え」「従来と同じイメージ」のように、あまりいい意味では使われることはないようです。
新鮮味のない考えという意味でもある
固定概念のほかに、ステレオタイプの持つ意味は「新鮮味がない」といった風にも使われます。あまりに通念にこだわりすぎて、新たな風を入れる気がない会社などは、「ステレオタイプ」と言われてしまいます。
新鮮さだけではなく、面白みもないという意味で使用されることがほとんどなので、批判的な意味でつかわれることが多いようです。
具体的に「ステレオタイプな人」とはどんな人?
よく聞く表現に、「ステレオタイプな人」「ステレオタイプな考え」というものがあります。では実際に、「ステレオタイプな人」「ステレオタイプな考え」とはどのような人や思考回路を指すのでしょうか。特徴をまとめてきましたので、自分が当てはまるか、周囲にこんな人がいないか考えながら読んでみてください。。
ステレオタイプの具体例1 自分の意見がない
「ステレオタイプな人」というのは、既存の固定観念に凝り固まっている人と言えます。そのため、固定概念以外の考えを受け入れることはしません。しかもその固定概念は、既存の考え方なので、自分自身で考えたわけではないのです。つまり、ステレオタイプな人には自分の意見がないのです。
人に同調しすぎてしまうので、流行には敏感でも自分の好みがないなど、自分で考えてきた衣服やしたいメイクをすることがないのも、一種のステレオタイプと言えます。これ自体は悪いことではなく、ステレオタイプに則って、マナーを守っている人もいるわけです。
これはビジネスに限ったことではなく、血液型や星座などもこのステレオタイプのひとつです。具体例として、「B型は自己中心的」という考えがあります。確かになと思う人もいれば、そんな人ばかりじゃないという人もいるでしょう。それが、ステレオタイプかそうでないかの考えの分かれ目なのです。
ステレオタイプの具体例2 平均でいたいと望む
「ステレオタイプな人」は、自分の環境を変えてしまうような大きな変化を好みません。出る杭は打たれるということわざがありますが、打たれる杭にはなりたくないのです。そのため、平均的で平凡な生活を好む傾向にあります。
それ自体は悪いことではありませんが、新たなことにチャレンジできなかったり、自分が負けてしまってもあまり奮起しないなど、チャレンジ精神に乏しいとされ、仕事で評価されないこともあります。固定観念や思い込みだけが心を支配してしまうと、いざ何かあったときに対応ができずに固まってしまうので、少しずつでもよいですから、新たな考えや新しい風にも目を向けてみてください。
まとめ
私たちの周りには、いくつものステレオタイプがあります。男性が青で女性が赤といったように、自分でも知らないうちに刷り込まれてしまっているのです。ステレオタイプがあることで社会のルールができているのも事実です。ですが、その考えだけに凝り固まってしまうと、結局は差別や偏見を生んでしまいます。「ステレオタイプ」だけに頼らず、自分の物差しや経験を鑑みて判断していくことも、非常に重要なことなのです。