「立ち合い」と「立ち会い」の意味の違いとは?
「立ち合い」の意味は、向かい合って双方が勝負することです。
例えば、武道の剣道や相撲などでお互いに勝負することです。
一方、「立ち会い」の意味は、その場に居合わせること、その場に同席することです。
物事の成り行きをその場にいて見届ける、見守ることです。
「立ち合い」と「立ち会い」の使い分け方とは?
ここでは、「立ち合い」と「立ち会い」の使い分け方についてご紹介します。
向かい合っての勝負に「立ち合い」は使う
「立ち合い」は、向かい合ってお互いに勝負するときに使います。
例えば、武道や相撲、能などで多く使いますが、「合う」は「同じことをする」を表現しているため、別のスポーツで向かい合って双方が競合するときにも使えます。
同じ場所にいることを「立ち会い」は表現する
「立ち会い」は、よく取引やビジネスで使われ、一般的にその場に同席して指示や確認などを行います。
しかし、意味は同じところに居合わせるということがあるため、通りかかってたまたまその場にいるのみでも使えます。
例えば、「立ち会い出産」のときは、出産を夫が見届けることができないことがあります。
しかし、「その場に居合わせた」ことによって立ち会ったようになります。
なお、「立ち会い」としては、複合語の「立会人」や「立会演説」などが多くあります。
「立ち合いのもと」は間違いで「立ち会いのもと」が正しい
「立ち会いのもと」の表記を「立ち合いのもと」、「お立会い」の表記を「お立合い」と間違っていることがあります。
「合」を使うときは試合などで勝負するという意味ですが、「会」を使うときはその場にいるという意味です。
「立ち合い」と「立ち会い」の使い方とは?
ここでは、「立ち合い」と「立ち会い」の使い方についてご紹介します。
「立ち合い」は、主として武道の相撲などで勝負するときに使います。
例えば、「さあお立ち合い」「真剣に立ち合う」などと呼びかけるときもあります。
特に、大相撲で「立ち合い」は使われるときが多くあります。
例えば、大相撲の「立ち合い」は、両方の力士が立ち上がって取り組みを始めるときの動作をいいます。
「立ち合い」の使い方としては、「立ち合いが成功した」「勝負が立ち合いで決まる」などがあります。
一方、「立ち会い」は、その場に参考人や証人などとして同席するときなどに使います。
「立会人」は、同席する人をいいます。
また、「立ち会い」は、参考人や証人としてだけでなく、出産するときになどその場に意図的に居合わせて見届けるときもあります。
「立ち合い」の言い換え表現とは?
ここでは、「立ち合い」の言い換え表現についてご紹介します。
「勝負」「試合」「競演」など
「立ち合い」の言い換え表現としては、「勝負」「試合」「競演」などがあります。
相撲の「立ち合い」については適切な言い換え表現がありませんが、「発進」「起動」などが考えられるでしょう。
「同席」「陪席」「臨席」など
「立ち会い」の言い換え表現としては、「同席」「陪席」「臨席」などがあります。
「席」という文字がいずれも含まれていますが、このときの意味は集まりなどの行われるところということです。
同音異議語とは?
ここでは、「立ち合い」と「立ち会い」と同じような同音異議語についてご紹介します。
「意志」と「意思」
「意志」の意味は、前向きな物事を成し遂げようとする心の状態です。
「意志」は、「◯◯をしたい」と目的を達成したいと考えることや望みを抱くことをいいます。
願望や固い決心というような感情が含まれています。
「意志」は、はっきりとどのようなことをするかが決まっている考えを表現するときに使います。
「意思」の意味は、何かをするという考え、心の中に浮かぶ思いです。
「意思」は、「◯◯と思う」「◯◯と考える」と、行動を何かするときに心に浮かぶ気持ちをいいます。
単に思っていることを表現しているため、強い絶対にしたいというような気持ちは含まれません。
「意思」は、確かではない漠然としている考えを表現するときに使えます。
「異動」と「移動」
「異動」の意味は、前の状態と異なった動きが物事にあることです。
「異」の意味は、「べつの」「ことなる」ということがあります。
部署が変わったり、職務や職場での地位が変わったりするときや、住所が変わったりするときは、前の状態と異なった動きがあるという意味の「異動」を使います。
「移動」の意味は、位置を動かして変えること、位置が動いて変わることです。
「移」の意味は、位置が変わる、場所が変わるということがあります。
別のところに車で行ったり、別のところに物を動かして位置を変えたりするようなときは「移動」を使います。
「異状」と「異常」
「異状」の意味は、普通とは違った状態のことです。
「異状」の「状」の意味は状態ということです。
「異状」は重点が「状態」にあり、普通の状態ではないことがわかるなどのときには「異状」を使います。
「異常」の意味は、普通とは違っていること、普通ではない様です。
正しいとされているあり方などから外れていること、あるべき基準から外れていること、普通ではないことです。
「異常」は、重点が普通との状態との違いにあり、形容動詞的用法の「異常に反応を示す」などときは「異常」を使います。
「改心」と「会心」
「改心」の意味は、悪かったことに気づいて、心を改めることです。
「改心する」は、今までのことを反省して、気持ちを新しくすることです。
「会心」の意味は、思い通りになって満足することです。
「会心」は、例えば、何かの製品が完成したときに「出来栄えは思った通りだ」などと満足することをいいます。
使い方は、「会心の笑み」などのように「会心の○○」というようになります。
「解答」と「回答」
「解答」の意味は、答えを出すために問題を解くこと、あるいはその答えです。
「解答」の「解」の意味は、問題点や試験の設問を解いて答えを出すということです。
「解答」の意味は、謎解きをして答えを出すということです。
「回答」の意味は、要求・質問などに答えること、あるいはその答えです。
「回答」の「回」の意味は、相手からの質問に答えを返すということです。
「返事」と「回答」は同じ意味です。