取り繕う(とりつくろう)の意味とは?
ここでは、取り繕う(とりつくろう)の意味についてご紹介します。
ほんのちょっと修理する
取り繕うの意味は、ほんのちょっと修理する、ちょっとだけ直す、破損しているところを急いでちょっとだけ直すということです。
完全に修理する時には、取り繕うは使えません。
ほんのちょっと壊れているのみであるため、間に合わせにその場で修理する時にも使えます。
また、来客があるなどの時に簡単に急いで直すことをいう時もあります。
ごまかして叱られないようにする
自分の過失や失敗があって間違いなく叱られるのがわかっている時に、取引先の方や目上の方などにごまかして叱られないようにするという意味でも使えます。
他の人のせいにしたり、いい訳をしたりしてその場を凌ぐため、性格としてはずるがしこくあまり良くないでしょう。
信用が無くなることもあります。
上辺のみ整える
取り繕うの意味は、上辺のみ整える、他の人から見えるところだけを飾って、外観だけをきれいにする、体裁を良くするということもあります。
自分の本音がわからないように、本心を出さないで振る舞う時に使われることもあります。
身だしなみを改善する
取り繕うの意味は、身だしなみを改善する、身なりを整えるもあります。
お客さんと会う前や面接を受ける前などに、軽く簡単に服装や髪の毛などをきれいに整えることをいいます。
取り繕うの使い方とは?
ここでは、取り繕うの使い方についてご紹介します。
現代では良くない意味で主として使われる
取り繕うは、先にご紹介したようにいくつかの意味がありますが、現代では良くない意味に主として使われます。
外観のみを整えて良くする時や、なんとか失敗や良くないことを隠してごまかそうとする時に使います。
その場しのぎの修繕という意味で取り繕うを使う時は、修繕してある程度の期間をしのげるくらいにする時に使います。
完全に修繕する時は、取り繕うを使わないため注意しましょう。
その場を取り繕う
取り繕うの一つの使い方としては、その場を取り繕うがあります。
その場を取り繕うの意味は、都合が悪くなったため、その場をやり過ごすためにごまかそうとすることです。
取り繕うの意味としては修繕ということが含まれますが、その場の雰囲気を改善するために行動するということは含まれないため注意しましょう。
その場を取り繕うを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「相槌を適当にうって、その場を取り繕うのは止めよう。」
この例文の意味は、相槌を適当にうって、その場をやり過ごすのは止めよう、ということです。
笑顔を取り繕う、体裁を取り繕う
笑顔を取り繕うの意味は、笑っているように見せかけることです。
一方、体裁を取り繕うの意味は、外観を良くすることです。
笑顔を取り繕う、体裁を取り繕うを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「なんとか笑顔を取り繕ったために、大きなトラブルにはならなかった。」
- 「体裁を取り繕っても、今となってはすでに手遅れである。」
取り繕う暇もないは間違った使い方である
取り繕う暇もないという形で取り繕うを使うのは、間違った使い方です。
正しい使い方は取り付く島もないで、意味としては頼れるところがないということです。
取り付く島もないの間違った使い方である取り付く暇もないが、取り繕う暇もないという形でさらに間違って使われるようになりました。
取り繕うの類義語とは?
ここでは、取り繕うの類義語についてご紹介します。
修繕する
修繕するの意味は、品物や建物などが、壊れたり、悪くなったりしているところを直すことです。
修繕するを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「次の休みに塀を修繕するつもりである。」
- 「修繕する義務があるため、自分で直す必要がある。」
正当化を図る
正当化を図るの意味は、努力して正しく見せようとすることです。
そのため、正しいように正しくないものを見せるため、他の人を騙すというような意味もあるでしょう。
正当化を図るを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「正当化を図るも、成功しなかった。」
- 「正当化を図るが、全員にこの前にわかっているため無駄なことである。」
その場しのぎ
その場しのぎの意味は、先のことを考えないで一時的に逃れる態度のことです。
その場しのぎを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「その場しのぎに、自転車の修繕をした。」
- 「その場しのぎで、言い訳をした。」
お茶を濁す
お茶を濁すの意味は、お茶の点て方がわかないような素人が混ぜて適当にごまかしたことから、はぐらかす、ごまかすということがあります。
お茶を濁すを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「社内の実情を聞かれたため、お茶を濁した。」
- 「お茶を濁して知ったかぶりをして乗り切った。」
ごまかす
ごまかすの意味は、嘘をついたり、話をそらしたりして、その場を取り繕うことです。
取り繕うとは、都合が良くないことを隠すという意味が似ているため、類義語になります。
ごまかすを使った例文としては、次のようなものなどがあります。
- 「世間の目をいつまでもごまかすことはできないだろう。」
- 「自分をごまかさないで、正直な気持ちになる方がいい。」
取り繕うのことわざとは?
辺幅修飾や猿に烏帽子が、取り繕うのことわざとしては挙げられます。
ことわざの辺幅修飾の意味は、見栄を張って外観を取り繕うことです。
一方、ことわざの猿に烏帽子の意味は、その人に相応しくない言動や服装のたとえです。
取り繕う人の心理とは?
取り繕うような人をよく目にすることがあるでしょう。
では、取り繕うような人はどのような心理なのでしょうか?
ここでは、取り繕う人の心理についてご紹介します。
取り繕う人は、欠点を隠そうとしたり、他の人からよく見られたかったりするでしょう。
自分を取り繕う人は、自分にもともと自信がない傾向があります。
ありのままの自分を見せることによって、相手が失望するのではないかと思ってしまい、自分を取り繕うことによってよく見せようとします。
取り繕うの英語表現とは?
「Gloss over」が、取り繕うの英語表現になります。
「Gloss over」の意味は、ごまかす、上辺を飾るということです。
都合が良くないことを隠して、ごまかす時に、「Gloss over」は使います。
「Gloss over」を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「Gloss over one’s mistake.」(自分のミスを取り繕う。)
また、取り繕うの英語表現としては、「patch things up」(ごまかす)も挙げられます。