ゼロサムの意味とは?
ゼロサムの意味は、トータルすればゼロになるということです。
プラスマイナスゼロと考え方は同じようなもので、一方の儲けがもう一方の損になることとも表現することができます。
ゼロサムは、英語の「zero-sum」が語源です。
「zero」の意味はゼロ、「sum」の意味は総和、合計ということです。
ゼロサムゲームというのは、ゼロサムの関係にお互いがあることをいいます。
もともとは応用数学のゲーム理論の考え方で、一方の儲けがもう一方の損と同じになり、常に全体の損得がゼロになるときに、自分の儲けを参加している人が最大にしようとするゲームのことです。
ゼロサムゲームとしては、外国為替の取引をして為替差益で儲けるFXが引き合いによく出ます。
FXは、一方の通貨が高いともう一方の通貨が安くなるので、勝った人の儲けと負けた人の損が同じ金額になります。
ゼロサムの日本語の訳は零和になります。
数値の0で表現される数のゼロは、零という漢字になります。
なお、2019年から始まった令和という元号が、トータルすればゼロ、プラスマイナスゼロの意味になるため縁起があまり良くないというようなことが元号を決めるときにあったそうです。
しかし、ゼロは令という漢字でなく零であるので、このような考え方は無くなったそうです。
ゼロサムの関連語や複合語とは?
ここでは、ゼロサムの関連語や複合語についてご紹介します。
ゼロサム社会
ゼロサム社会というのは、L.C.サローというアメリカの経済学者が使った言葉です。
経済の成長が停まった社会においては、富や資源が一定の総量になり、ある人が儲けると他の人が損して、全体の経済においてゼロサムの所得配分になるというものです。
L.C.サローは、ゼロサムの要素が解決すべき所得格差や環境などの社会問題にはあり、分配の公正を行うためにゼロサムの問題を解決することが大切であるといいました。
ゼロサム思考
ゼロサム思考というのは、二者択一の勝ちか負けかなどに拘束される考え方、思考のことです。
ゼロに全体の総和がなるというようなゲーム理論の本来の考え方とは違って、心理学的な一種の認知バイアスで、個人の状況についての主観的な判断をいいます。
ゼロサム思考を使った例文としては、次のようなものがあります。
- 「女性が男性の社会において追い込まれると、家庭を取るか仕事を取るかのゼロサム思考になるときがある。」
- 「勝ち負けだけを考えるゼロサム思考で、世論は分断された。」
- 「相手の儲けは自分の損になるというゼロサム思考が、世の中を席巻している。」
マイナスサムゲーム
ゲームとしては、ゼロサムゲーム以外に、プラスサムゲームとマイナスサムゲームに利害の総和によって分けられるものがあります。
参加している全ての人の儲けのトータルが、投資した金額よりマイナスになればマイナスサムゲームになり、プラスになればプラスサムゲームになります。
一定の収益金を胴元が差し引くギャンブルは、参加している全ての人が投資した金額についての収支はマイナスになるので、マイナスサムゲームになります。
代表的なマイナスサムゲームとしては、競馬や宝くじなどがあります。
ゼロサムの例文とは?
ここでは、ゼロサムの例文についてご紹介します。
- 「ゼロサムの仕組みがわかれば、ちょっとFXの本質が分かった感じがする。」
- 「ゼロサムというのはプラマイゼロであるため、日本の社会のときはゼロサム以下といえる。」
- 「年齢が高くなって給料が多くなっても、マイホームのローンの返済金や子供の教育費などによって最終的にはゼロサム以下になる。」
- 「投資をするのであれば、経済の評論家などは株式取引のようにゼロサムではないものがおすすめであると強くアピールしている。」
- 「ゼロサム社会というのは最終的な資本主義の姿であると考える。というのは、勝つ人と負ける人の格差が非常に激しくなって、中間の人がいなくなるためである。」
ゼロサムゲームとは?
ゼロサムゲームというのは、参加している人の得点と失点のトータルがゼロになるものです。
サムの意味は合計で、ゼロに合計するとなるゲームになります。
経済学における一つのゲーム理論である
ゼロサムゲームは、経済学における一つのゲーム理論です。
参加している人が選ぶ行動に関係なく、一方の人が儲けると、もう一方の人がその分損になる仕組みになっているゲームです。
一般的に、ゲーム形式やゲームのものに使われます。
例えば、100円ずつ3人で出してジャンケンして、このお金を最後まで勝った人がもらうとしましょう。
このとき、300円勝った人はもらえますが、この中で自分が出したお金が100円であるため、儲けは200円になります。
負けた人は、100円ずつ損するようになって、損得のトータルはゼロになります。
ゼロサムゲームは、このような仕組みになっています。
非ゼロサムゲームがゼロサムゲームの反対語になる
非ゼロサムゲームは、参加している人の全ての総和がゼロにならないゲームで、一つのゲーム理論の考え方です。
基本的に、非ゼロサムゲームの方がゼロサムゲームよりも困難になります。
例えば、ゼロサムゲームのときは相手を倒すと得点が必ず獲得できますが、非ゼロサムゲームのときは得点が獲得できるとは必ずしも限りません。
複数の人が非ゼロサムゲームのときは参加するので、戦うときに他の人の状態を考慮する必要があります。
FXはゼロサムゲームになるか?
では、FXはゼロサムゲームになるのでしょうか?
FXについては、ゼロサムゲームになります。
為替レートは常に変わっていますが、いかに変わっても、バランスは維持されたままです。
例えば、米ドルにおいて、長期間1ドルのレンジ相場として100円~105円のものが継続していたとしましょう。
このようなときに100円になれば売りが非常に多くなって、1ドルが105円から103円まで低下したとしましょう。
このときは、多くの人が今回の取引では得したということになるときがあるかもしれませんが、トータル的には損より儲けが多くなることはありえません。
相場が最終的に変わった以上、どこかでこの金額の損が発生しています。
このようなときは、例えば、レンジブレイクを少数の投資家が予測して、買いポジションを105円になったときに持ったが下がって非常に損したというようなことが考えられます。
そのため、多くの投資家が大きな儲けを獲得した一方で、大きな損を少数の投資家が出して、最終的に損得がバランスしたことが考えられるようになります。
このようなことから、FXはゼロサムゲームになるといえます。