【短期集中連載・第3回】アクセル踏むのもいいけど、ブレーキはどうなっている?【文筆家/岡田育】

岡田育




出版社に勤めて8年目、ある女の子から「就職活動の相談に乗ってほしい」とメールを受け取り、会うことになりました。編集者になりたい、でも志望する出版社は求人していない、どうしたら岡田さんのような編集者になれますか、と訊いてくる現役女子大生の前で、こう切り返すのは、だいぶ勇気のいることでした。

 

「大変申し訳ないのですが、じつは私、今まさに会社を辞めようと思っているんですよね……」

 

入社したて20代半ばの頃は、そんなことまったく考えてもいませんでした。毎日忙しく充実した日々を過ごし、このままずっと、定年退職するまで同じ職場で同じように働くのだと、信じて疑っていなかったのです。

 

本当にこの会社に勤め続けていていいんだろうか? と迷ったことなら、あります。社員数の少ない小さな会社では、新人は人手不足の部署へ回されるのが常です。書籍を作りたかった私も雑誌編集部に配属され、やりたい仕事ができるまであと何年かかるのか想像もつきませんでした。




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RUN-WAY編集部

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