未経験でも知っておいたほうが良い知識
未経験者を募集する場合は企業側もそれを承知の上で新人研修のカリキュラムを組むので、入社後の実地研修で業務に必要な知識を得る事も可能です。しかし予備知識として自分で勉強しておけば仕事の飲み込みも早くなりますし、全く知らない境地で仕事に望むよりも大分心持ちが楽になります。採用試験の際にもそうした熱意ある姿勢は評価のポイントです。未経験者でも事前に勉強して知っておくと良い知識を、3つの視点からまとめてみます。
日常的な業務から必要になる「簿記」の知識
簿記の知識はお金の管理を行う経理業務に際して必要不可欠と言っても過言ではありません。簿記には経理における基礎中の基礎となる仕訳のやり方や会計原則の考え方、入出金・振替伝票の書き方、決算書の作り方など様々な内容が含まれています。「仕訳だけは分かる」「伝票作成のやり方だけは分かる」と言った具合にどれか一つの事に関して知識だけではなく、これらの知識を持ち合わせていないと現場で実務をこなす事は難しいです。簿記の基礎をマスターして初めて経理業務の基礎を修得出来ると言い換えても良いでしょう。一通りの日常業務をこなす為の目安としては、日商簿記2級相当の知識があれば困る事はありません。あとはその知識を現場の実務に活かせるかどうかです。多くの企業がこの日商簿記2級を実務能力の一つの基準として捉えています。資格試験として体系的に知識はまとめられている簿記は比較的勉強しやすい分野です。就職活動と平行して日商簿記の勉強を進めておくのも良いでしょう。
「経営者視点」に立って経営陣に適切なアドバイスが出来る様にする
企業によっては経理担当者が財務分析を行う事があります。財務分析とは「収益性」と「安全性」の2つの観点から会社の経営状況を把握する事で、大まかに「コストパフォーマンスの算出」と言い換える事も可能です。今の収益率で会社の健全な経営が成り立つのか、問題点があるならばそれを解決する為にどのような手段を採るべきかという経営陣へのアドバイスも求められます。キャリアパスが進むに連れて必要性が増してくる知識であり、逆に言えば経営者視点の知識を活かす事でキャリアアップへの近道を歩む事が可能であるとも言えるでしょう。「経営者目線に立った経理面での提案」とはコストの削減や具体的に足りない収益の額、売り上げ目標の設定など細かな数値の算出が必要になるのです。実際に数字の動向を毎日見るからこそ、経営者の視点を持ち「問題点」と「解決策」を常に考えられる様にしておきましょう。
基本的な業務にも大きく影響する「税金」の知識
税金に関する知識は日常業務の仕訳や税務処理に大きく関わって来ます。私達の日常生活にも密接に関わっている税金ですが、経理の仕事に就くと普段とは少し違った税金も取り扱う事になるでしょう。税金には国に対して納付する「国税」と、それぞれの都道府県/市区町村に納付する「都府県税/市区町村税(総称して地方税と呼ぶ事もあります)」があるのでその点にも注意が必要です。法人として触れる機会の多い代表的な税金には以下の様なものが挙げられます。
- 「法人税(国税)」個人の収入に対しては所得税が課せられますが、同じ様に法人の収入に応じて課せられる税金を法人税と呼びます。
- 「法人住民税(都道府県税/市区町村税)」会社の所在地がある都道府県と市区町村にそれぞれ納付する税金の総称です。
- 「法人事業税(都道府県税)」会社の収益に応じて都道府県に納める税金です。内容が似ている法人税とは納付先が異なるので注意しましょう。
- 「地方法人特別税(国税)」地域間で税源の偏りが生まれてしまわないよう、暫定的に法人事業税を国税として納付したものを指します。
- 「消費税(国税/都道府県税)」日常生活でも馴染みのある消費税ですが、企業間で取引を行う際に発行される請求書にも消費税が含まれています。更に、消費税は国税と都道府県税に分割されており、経理上はこの内訳も計算して計上しなければなりません。
上記の税金以外にも業態によっては酒税や自動車税、輸出入の関税などが関わって来ます。これら税金に対する幅広い知識を持ち合わせていないと、基本業務である仕訳も適切に行う事も難しいでしょう。
経理職において必要とされる関連知識はどれも専門性が高いものですが、独学が全く不可能という訳ではありません。特に、簿記と税金に関わる知識は仕訳や税務処理など基礎的な経理業務に必要不可欠です。資格の勉強や関連書籍を読み込むなどして前もって知識を備えておきましょう。時間的な余裕があるならば経営視点からの財務に関する知識を勉強しておくとなお良いですが、経営陣側から財務に関するアドバイスや助言を求められるのはある程度業務をこなせるようになってからになります。経営に関する知識は日頃の仕事を覚えるのと平行して勉強を進めても、遅過ぎるという事はないでしょう。


